建築士試験 解説ノート

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令和2年度 一級建築士 環境・設備 No.10を解説、吸音・遮音に関する誤りを見抜くポイント

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令和2年度 一級建築士試験 学科Ⅱ(環境・設備)No.10は、吸音・遮音に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

多孔質吸音材料、孔あき板の共鳴吸音、単層壁の音響透過損失と質量則、吸音材の表面被覆が問われます。判断の決め手は、単層壁の音響透過損失で、実測値が質量則の予測値より大きいか小さいかです。

引っかけの核心は、単層壁の音響透過損失の実測値が、質量則の予測値より大きくなる、としているところにあります。実測値は、コインシデンス効果などにより質量則の予測値より小さくなる傾向があります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 剛壁に密着させた多孔質吸音材料を厚くすると、低周波数域の吸音率が上昇します。
2 ○(正しい) 孔あき板は、孔と背後空気層が共鳴器(ヘルムホルツ共鳴)として働き吸音します。
3 ×(誤り) 単層壁の音響透過損失の実測値は、質量則の予測値より小さくなる傾向です。大きくとするのは誤りです。
4 ○(正しい) 多孔質吸音材料の表面を通気性の低い材料で被覆すると、高周波数域の吸音率が低下します。

選択肢3は、実測値が質量則の予測値より大きくなるとした点が誤りで、実際は小さくなる傾向です。

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選択肢3のポイント

単層壁の遮音性能は、まず質量則で予測します。質量則では、壁の面密度が大きいほど、また周波数が高いほど、音響透過損失が大きくなります。

ただし実際の壁では、特定の周波数で壁が曲げ振動と共振するコインシデンス効果が起こり、その付近で透過損失が大きく落ち込みます。低音域でも壁の剛性の影響で予測どおりにはなりません。

このため、単層壁の音響透過損失の実測値は、質量則の予測値より小さくなる傾向です。設問3はこれを「大きくなる」と逆にしています。覚えるべきは単層壁の透過損失は実測値<質量則の予測値(コインシデンス効果で落ちる)ということです。

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覚え方

  • 単層壁の音響透過損失は実測値<質量則の予測値(コインシデンス効果で落ち込む)
  • 質量則は面密度2倍・周波数2倍で透過損失が約6dB増
  • 多孔質吸音材を厚く・剛壁から離す=低周波数域の吸音率が上がる
  • 孔あき板+背後空気層=共鳴吸音(中音域に効く)

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理解度チェック

Q.

単層壁の音響透過損失の実測値は、質量則の予測値より大きくなる傾向がある。〇か×か。

×コインシデンス効果などにより、実測値は質量則の予測値より小さくなる傾向です。

Q.

剛壁に密着させた多孔質吸音材料を厚くすると、低周波数域の吸音率が上昇する。〇か×か。

。多孔質吸音材料は厚くするほど、低周波数域の吸音率が上がります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅱ(環境・設備)問題」
  • 吸音・遮音(単層壁の透過損失は実測値が質量則より小さい、多孔質吸音材、孔あき板の共鳴吸音、表面被覆):建築環境工学(音響)の標準的知見
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

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