令和5年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.22は、建築士事務所の開設者の義務に関する建築士法上の問題です。
この問題では、4つの記述のうち、建築士法上、誤っているものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 重要事項説明・書面交付は設計受託契約・工事監理受託契約が対象(士法24条の7等)。建築物の調査業務には及びません。 |
| 2 | ○(正しい) | 開設者は、事業年度ごとに業務実績等の報告書を作成し、毎事業年度経過後3月以内に登録をした都道府県知事に提出します(士法23条の6)。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 登録抹消後に無登録で報酬を得て設計等を業として行えば、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。正しい記述です。 |
| 4 | ○(正しい) | 延べ面積300m²を超える建築物の新築に係る設計受託契約では、図書の種類・報酬等を書面に記載し署名等のうえ相互に交付します(士法22条の3の3)。正しい記述です。 |
選択肢1は、「建築物に関する調査の業務でも重要事項説明や書面交付が必要」とする点が誤りで、これらは設計受託契約・工事監理受託契約を対象とする義務です。
選択肢1は、建築物に関する調査の業務を受託する場合に、重要事項説明や書面交付が必要かどうかの記述なんです。
重要事項の説明(士法第24条の7)と契約締結時の書面の交付(士法第24条の8)は、設計受託契約又は工事監理受託契約を締結しようとするとき、又は締結したときの義務です。建築物の調査・鑑定の業務は、これらの受託契約に当たりません。
ですから、調査業務についても重要事項説明や書面交付を行わなければならないとした選択肢1は誤りということです。対象となる契約の種類を広げる引っ掛けですね。
建築物の調査・鑑定の業務を受託するとき、重要事項の説明は必要?
必要ありません。重要事項説明は設計受託契約・工事監理受託契約が対象で、調査・鑑定業務には及びません。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが誤っている記述)
建築士事務所の開設者に課される重要事項の説明(士法24条の7)や契約時の書面の交付(士法24条の8)は、設計受託契約又は工事監理受託契約を締結しようとするときの義務です。
建築物の調査・鑑定の業務は、設計や工事監理の受託契約ではありません。調査業務には重要事項説明や書面交付の義務は及ばないので、「調査業務でも必要」とした選択肢1が誤りということです。