建築士試験 解説ノート

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建築士法のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 法規の過去問・頻出ポイント

建築士法は一級建築士 法規のNo.21〜23で、過去10年ほぼ毎年2〜3問出ます。問われるのは「努めなければならない(努力義務)」と「しなければならない(義務)」の違いと、義務が及ぶ対象の範囲です。引っ掛けは、語尾や対象範囲をすり替えた選択肢が多いです。まず建築設備士の意見から押さえます。

建築設備士の意見(努力義務と義務)

延べ面積2,000m²を超える建築物の建築設備の設計・工事監理を行うとき、建築士は建築設備士の意見を聴くよう努めなければなりません(努力義務)。

一方、実際に意見を聴いたときは、その旨を設計図書や工事監理報告書に明らかにしなければなりません(義務)。聴くのは努力義務、聴いたら明示は義務、という語尾の違いが正誤を分けます。

重要事項説明・契約書面(対象は設計・工事監理)

建築士事務所の開設者は、設計受託契約・工事監理受託契約を結ぼうとするとき、あらかじめ建築主に対し、管理建築士等から重要事項を記載した書面を交付して説明させなければなりません(法24条の7)。

これは設計・工事監理の契約が対象で、建築物の調査・鑑定などその他の業務には及びません。延べ面積300m²を超える設計・工事監理の契約では、契約の内容を記載した書面を相互に交付します。

監督処分・管理建築士・安全証明書

建築士事務所への監督処分は、戒告・1年以内の閉鎖命令・登録の取消しの3種類です。「戒告か閉鎖命令の2つ」ではありません。

事務所には、建築士として3年以上の業務経験と講習を受けた管理建築士を置きます。

また、構造計算で安全性を確かめた建築士は、設計の委託者に安全証明書を交付します。ただし、構造設計一級建築士が構造設計し、その旨を表示した場合は交付不要です。

まちがえやすいポイント

建築設備士の意見は、聴くのは努力義務、聴いたら明示するのは義務です。「明示するよう努める」と語尾を弱めるのは誤りです。

重要事項説明は設計・工事監理の受託契約だけが対象で、調査・鑑定は含まれません。建築士事務所の監督処分は戒告・閉鎖命令・登録取消しの3種類です。

過去問の論点○×

過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。

記述 ○×
延べ面積2,000m²超の建築設備の設計・工事監理では、建築士は建築設備士の意見を聴くよう努めなければならない
建築設備士の意見を聴いたときは、その旨を設計図書・工事監理報告書に明らかにしなければならない
建築士事務所への監督処分は、戒告・1年以内の閉鎖命令・登録の取消しの3種類である
構造設計一級建築士が構造設計しその旨を表示した場合、安全証明書の交付は不要である
建築設備士の意見を聴いたとき、その旨を設計図書に明示するのは努力義務である ×
建築物の調査・鑑定の受託でも、重要事項説明が必要である ×
建築士事務所への監督処分は、戒告と閉鎖命令の2種類だけである ×

×を正しく直すと、意見を聴いた旨の明示は義務(聴くこと自体が努力義務)/重要事項説明は設計・工事監理の受託契約だけ(調査・鑑定は対象外)/監督処分は戒告・閉鎖命令・登録取消しの3種類、です。

過去問の出題一覧(一級建築士 法規)

建築士法は、義務の程度と対象範囲・手続きから毎年No.21〜23で複数問が出ています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。

年度 No. 正解 論点/解説
令和7年(2025)212建築士・建築士事務所(建築士法)
令和6年(2024)214工事監理を行う建築士
令和5年(2023)211建築士(建築士法)
令和4年(2022)211工事監理を行う建築士 ※解説は順次追加予定
令和3年(2021)223建築士(建築士法)※No.21は建築基準法。解説は順次追加予定
令和2年(2020)212建築士(建築士法)※解説は順次追加予定
令和元年(2019)212建築士法 ※解説は順次追加予定
平成30年(2018)214建築基準法又は建築士法 ※解説は順次追加予定
平成29年(2017)213建築士法 ※解説は順次追加予定
平成28年(2016)213建築士法 ※解説は順次追加予定

※建築士事務所まわり(No.22・23)も毎年出題されます。各年度の一覧から確認できます。

覚え方

  • 建築設備士は聴くのは努力義務・聴いたら明示は義務(延べ2,000m²超)。
  • 重要事項説明・契約書面は設計・工事監理の受託契約だけ(調査・鑑定は対象外)。
  • 事務所の監督処分は戒告・閉鎖命令・登録取消しの3種類。管理建築士は建築士として3年。
  • 安全証明書は構造設計した建築士が交付。構造設計一級が関与すれば交付不要

理解度チェック

Q.

建築設備士の意見を聴いたとき、その旨を設計図書に明示するのは努力義務?

違います。意見を聴いたら明示するのは義務です。聴くこと自体は努力義務(延べ2,000m²超)ですが、聴いた旨の明示は「しなければならない」義務です。

Q.

建築物の調査・鑑定の業務を受けるときも、重要事項説明が必要?

必要ありません。重要事項説明は設計受託契約・工事監理受託契約が対象で、調査・鑑定などその他の業務には及びません。

Q.

建築士事務所への監督処分は、戒告と閉鎖命令の2種類だけ?

違います。戒告・1年以内の閉鎖命令・登録の取消しの3種類です。登録の取消しを忘れないようにします。

出典・参考

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」および「正答肢」各年度
  • 建築士法 第18条・第20条・第24条・第24条の7・第26条
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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