建築士試験 解説ノート

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令和4年度 一級建築士 計画 No.13を解説、住宅作品に関する誤りを見抜くポイント

令和4年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.13は、住宅の作品名・設計者・特徴の組合せに関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 増沢邸[自邸](増沢洵、1952年)の特徴
  2. 斎藤助教授の家(清家清、1952年)の特徴
  3. ヴィッラ・クゥクゥ(吉阪隆正、1957年)の特徴
  4. 正面のない家-H(坂倉準三建築研究所、1962年)の特徴

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

正面のない家(坂倉準三)は、敷地を壁で囲い込み、玄関の構えをもたず、いくつかの中庭(コート)で採光・通風を得るコートハウスです。選択肢4の「正方形平面に方形屋根を架け、傘の骨のように組まれた木材を内部に現した」というのは、篠原一男の「から傘の家」の特徴で、作品と特徴が入れ替わっているので誤りなんですね。

増沢邸・斎藤助教授の家・ヴィッラ・クゥクゥの記述は、いずれも正しい。正面のない家=壁で囲んだ中庭型コートハウスと押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 増沢邸は3間×3間(9坪)の2階建てで、吹抜けに面した南面大開口部の障子から柔らかな光を取り込む。適当です。
2 ○(適当) 斎藤助教授の家は、テラス・廊下・居間が連続する開放的な平面で、移動畳による「舗設」の概念を具現化した。適当です。
3 ○(適当) ヴィッラ・クゥクゥは、コンクリートの彫りの深い開口をもち、外部に閉じた「閉鎖性」のワンルーム形式。適当です。
4 ×(不適当) 正面のない家は壁で囲んだ中庭型コートハウス。「方形屋根に傘の骨状の木材」はから傘の家の特徴で誤り。

選択肢4は、正面のない家を「方形屋根に傘の骨のように組まれた木材を現した正方形平面の住宅」とする点が誤りで、これは篠原一男の「から傘の家」の特徴です。

選択肢4のポイント

選択肢4は、坂倉準三建築研究所による正面のない家の特徴についての記述です。作品名と特徴の組合せが論点です。

正面のない家は、都市部の狭い敷地を有効に使うために、敷地全体を壁(塀)で囲い込み、玄関の構えをもたず、廊下もできるだけ省いた住宅です。外に対しては閉じていて「正面」がなく、そのかわり内側に設けたいくつかの中庭(コート)から採光と通風、広がりを得るコートハウスになっています。

一方、選択肢4が説明している「正方形平面に方形屋根を架け、傘の骨のように組まれた木材を内部に現した」住宅は、篠原一男の「から傘の家」(1961年)の特徴です。から傘を開いたように放射状に組んだ小屋組を室内に見せた、有名な住宅ですね。作品名は正面のない家なのに、特徴がから傘の家のものになっているので誤りです。

ザックリ言えば、正面のない家=中庭型コートハウス/から傘の家=放射状の方形屋根ということです。作品名と特徴の組合せ問題は、特徴のほうが別作品にすり替わっていないかを確かめましょう。

覚え方

  • 正面のない家(坂倉準三)=壁で囲んだ中庭型コートハウス・玄関の構えなし
  • から傘の家(篠原一男)=正方形平面に方形屋根、傘の骨状の小屋組を室内に現す
  • 増沢邸(増沢洵)=3間×3間の9坪・吹抜けと南面大開口
  • 作品名と特徴の組合せは「特徴が別作品にすり替わっていないか」を確認
Q.

正面のない家は方形屋根に傘の骨状の木材を現した住宅?

違います。それは篠原一男の「から傘の家」の特徴です。正面のない家(坂倉準三)は、壁で囲んで中庭から採光する中庭型コートハウスです。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問から整理しています。運営者情報

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