令和7年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.14は、大規模店舗の避難安全検証法・劇場の内装・駐車スペース・ビル風対策など、商業建築物等の計画に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(不適当) | 避難安全検証法は特定の平面・区画を前提に避難安全を検証する手法で、区画変更やテナント入替を容易にするためのものではありません。不適当です。 |
| 2 | ○(適当) | 劇場で、アプローチを段階的に暗くし暗順応を早め、客席を赤色基調とするのは、暗所での見やすさに配慮した計画です。適当な記述です。 |
| 3 | ○(適当) | 車椅子使用者用駐車スペースの路面を青色に塗装し、一般スペースと区別するゾーン分けは適切です。適当な記述です。 |
| 4 | ○(適当) | ビル風対策として、外壁の出隅を曲面にし、常緑樹の高木を外周に植栽するのは有効です。適当な記述です。 |
選択肢1の「短期間で容易にテナントの入れ替えや区画変更ができるよう、全館避難安全検証法を行った」という記述が誤りで、避難安全検証法は特定の平面を前提に検証する手法であり、区画変更を容易にするものではありません。
選択肢1は、大規模店舗で、テナントの入れ替えや区画変更を容易にするために全館避難安全検証法を用いたという記述です。
避難安全検証法は、火災時の煙の降下時間と避難に要する時間を計算し、安全に逃げ切れることを確かめる手法で、その時点の区画・出口・避難経路を前提に成り立っています。だから区画を変更すれば前提が崩れ、改めて検証が必要なんです。「短期間で容易に区画変更できるようにする」目的とは結びつかない点が誤りです。
ザックリ言えば、避難安全検証法は平面を固定した前提での検証であって、変更を自由にするための制度ではないということです。「容易に区画変更」「テナント入替が自由」といった“柔軟さ”を売りにする記述が出たら疑いましょう。
避難安全検証法を使えば、後から区画変更を自由にできる?
できません。避難安全検証法は特定の平面・区画を前提に避難安全を検証する手法です。区画を変更すると前提が変わるため、原則として再検証が必要になります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)
避難安全検証法(区画・階・全館)は、火災時に在館者が安全に避難できることを計算で確かめる手法です。これにより排煙設備・内装制限・歩行距離などの一部の仕様規定が適用除外になりますが、検証はその時点の平面計画(区画・出口・経路)を前提に成り立っています。
つまり、テナントの入れ替えや区画変更を行えば前提条件が変わり、改めて検証が必要になります。避難安全検証法は「短期間で容易に区画変更できるようにする」ための制度ではないため、選択肢1は不適当なんです。目的と手法が結びついていないんですね。