建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 一級建築士 構造
  3. 令和3年
  4. > No.20 地盤の沈下

令和3年度 一級建築士 構造 No.20を解説、地盤の沈下に関する誤りを見抜くポイント

令和3年度 一級建築士試験 学科IV(構造)No.20は、地盤の沈下に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 液状化で地盤が沈下する原因
  2. 地盤を等価な弾性体とみなす即時沈下の計算
  3. 粘性土を支持層とする場合の圧密沈下の考慮
  4. 圧密沈下が生じるしくみ

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

圧密沈下は、粘性土に荷重がかかって間隙水がゆっくり排出され、間隙が縮むことで生じます。土粒子そのものが変形するわけではないんですね。選択肢4は「主に土粒子が変形することにより生じる」としているので誤りです。

液状化の原因・地盤を弾性体とみなす即時沈下・粘性土支持層での圧密沈下の考慮は、いずれも正しい。圧密沈下は間隙水の排出で間隙が縮んで生じると押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 液状化は、砂粒子の間隙水圧の上昇等で水が砂混じりで地上に噴出して沈下する。正しい記述です。
2 ○(正しい) 通常の設計では、地盤を等価な弾性体とみなして即時沈下の計算を行ってよい。正しい記述です。
3 ○(正しい) 粘性土を支持層とする場合は、即時沈下だけでなく圧密沈下も考慮する必要がある。正しい記述です。
4 ×(誤り) 圧密沈下は間隙水の排出で間隙が縮んで生じる。「主に土粒子が変形して生じる」は誤り。

選択肢4は、圧密沈下を「主に土粒子が変形することにより生じる」とした点が誤りで、正しくは有効応力の増加に伴い間隙水が排出されて間隙が縮むことで生じます。

選択肢4のポイント

選択肢4は、圧密沈下が何によって起こるか、が論点です。土粒子が縮むのか、それとも間隙の水が抜けるのか、を区別できるかがカギです。

粘性土に荷重がかかると、まず間隙の水が圧力を受けます。粘土は水を通しにくいので、その水は時間をかけてゆっくり排出されます。水が抜けたぶん土粒子どうしが詰まり、間隙(すき間)が縮んで体積が減る。これが圧密沈下で、長い時間をかけて進むのが特徴です。

このとき土粒子そのものは縮まないとみなします。沈下の正体は間隙水の排出による間隙の減少です。選択肢4は「主に土粒子が変形して生じる」としているので誤り。即時沈下(載荷直後に弾性的に生じる沈下)とも区別しましょう。「圧密=水が抜けて間隙が縮む」と覚えましょう。

ザックリ言えば、圧密沈下は間隙水が排出されて間隙が縮むことで生じる(土粒子は縮まない)ということです。

覚え方

  • 圧密沈下=間隙水の排出で間隙が縮んで生じる(時間をかけて進む)
  • 土粒子そのものは変形(収縮)しない
  • 即時沈下=載荷直後に弾性的に生じる沈下(地盤を弾性体とみなして計算)
  • 粘性土支持層=即時沈下+圧密沈下の両方を考慮

一問一答

Q.

圧密沈下は、主に土粒子が変形することで生じる?

違います。圧密沈下は、荷重で間隙水がゆっくり排出され、間隙が縮むことで生じます。土粒子そのものは縮まないとみなします。

令和3年 一級建築士 構造 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和3年度 一級建築士試験 学科の試験 学科IV(構造)問題」
  • 日本建築学会「建築基礎構造設計指針」
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問から整理しています。運営者情報

▼令和3年 一級建築士 構造▼

▼他の年度▼

Topへ >>