令和5年度 一級建築士試験 学科IV(構造)No.25は、耐震設計(保有水平耐力)に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 保有水平耐力は各階に想定する崩壊形に対して算定し、必要保有水平耐力以上とする |
| 2 | ○(正しい) | 剛性率は各階の層間変形角と全階の平均層間変形角との比で求め、基準値は0.6以上 |
| 3 | ○(正しい) | 偏心率は各階の剛心と重心のずれ(偏心距離)を弾力半径で割って求め、基準値は0.15以下 |
| 4 | ×(誤り) | Fesは剛性率だけでなく偏心率も考慮して算定する(剛性率のみによるとするのは誤り) |
選択肢4の「形状特性係数Fesは剛性率のみから算定する」という記述が誤りで、正しくは剛性率と偏心率の両方を考慮して算定するです。
形状特性係数Fesは、建物の「縦方向の形状の偏り(剛性率)」と「横方向の形状の偏り(偏心率)」の両方を反映させた係数です。
剛性率が低い階は弱層として集中的に変形します。偏心率が大きい建物はねじれ振動が生じやすくなります。どちらも必要保有水平耐力を増やす要因であるため、両方を考慮してFesを算定するわけです。
剛性率の基準値は0.6以上で、0.6未満の階は形状係数による割増しが必要です。偏心率の基準値は0.15以下で、0.15を超えると割増しが必要になります(選択肢2・3はこの基準どおりで正しい)。
形状特性係数Fesの算定に使う指標を2つ答えよ。
剛性率と偏心率です。剛性率は縦方向の形状の偏り(弱層の有無)、偏心率は横方向の形状の偏り(ねじれやすさ)を示します。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)
形状特性係数Fesの算定に関する記述が誤りなんです。Fesは建築物の形状の偏りを示す係数で、剛性率と偏心率の両方を考慮して計算します。剛性率だけでなく偏心率も組み合わせて算定するので、「剛性率のみ」とした選択肢4が最も不適当ということです。