建築士試験 解説ノート

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令和3年度 一級建築士 施工 No.21を解説、各部工事の不適当な記述を見抜くポイント

令和3年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.21は、各部工事に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 銅板葺屋根に取り付ける軒樋の材質
  2. 防火区画を貫通するダクトの防火ダンパー間の鉄板の厚さ
  3. 金属板の折板葺のタイトフレームと受け梁の接合
  4. 軽量鉄骨間仕切壁内のPF管の支持間隔

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが誤っている記述)

異なる金属が接触して水がかかると、電位差が大きいほど一方が早く腐食します。これが異種金属接触腐食(電食)です。だから銅板葺の軒樋は、銅と電位差の小さい材を選ぶんです。

選択肢1は「銅との電位差が大きい溶融亜鉛めっき鋼板製のもの」を耐候性を考慮して選んだとしています。電位差が大きいものを選ぶと電食が進むので、考え方が逆で誤りなんですね。接触させるなら電位差の小さい金属どうしと押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 銅板葺の軒樋は銅と電位差の小さい材を選ぶ。「電位差が大きい溶融亜鉛めっき鋼板製」は電食を招く
2 ○(正しい) 防火区画に近接して設ける防火ダンパーと防火区画の間のダクトを、厚さ1.6mmの鉄板とするのは正しい。
3 ○(正しい) 折板葺のタイトフレームと受け梁の接合を、繰返し荷重による緩み防止のためすみ肉溶接とするのは正しい。
4 ○(正しい) 間仕切壁内のPF管を、バインド線で支持し支持間隔1.5m以下とするのは正しい。

選択肢1は、軒樋に銅との電位差が大きい溶融亜鉛めっき鋼板製を選んだ点が誤りで、接触させるなら電位差の小さい材を選びます。

選択肢1のポイント

選択肢1は「銅板葺屋根に取り付ける軒樋について、耐候性を考慮して、銅との電位差が大きい溶融亜鉛めっき鋼板製のものとした」としています。接触する金属の組合せの選び方が論点です。

種類の違う金属が接触して雨水などにさらされると、電池のような状態になり、電位差が大きいほど一方の金属が早く腐食します。これを異種金属接触腐食(電食)といいます。

銅と亜鉛は電位差が大きく、接触させると亜鉛めっき鋼板側が激しく腐食します。だから銅板葺の軒樋は、銅と電位差の小さい材(銅製など)を選ぶのが正解です。「耐候性のため」という説明につられて電位差の大きい材を選ぶのは逆なんですね。電位差が大きい組合せは電食が進むと覚えておきましょう。

覚え方

  • 接触する金属は電位差の小さい組合せに(電位差が大きいほど異種金属接触腐食=電食が進む)。銅板葺の軒樋に溶融亜鉛めっき鋼板は不適当
  • 防火区画近接の防火ダンパー間ダクトは厚さ1.6mm以上の鉄板
  • 折板葺のタイトフレームと受け梁は、緩み防止のためすみ肉溶接
  • 間仕切壁内のPF管はバインド線支持で間隔1.5m以下

一問一答

Q.

銅板葺の屋根の軒樋に、溶融亜鉛めっき鋼板製を選んでよい?

適当ではありません。銅と亜鉛は電位差が大きく、接触すると異種金属接触腐食(電食)で亜鉛めっき鋼板側が早く腐食します。接触させるなら銅と電位差の小さい材(銅製など)を選びます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和3年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • 公共建築工事標準仕様書(国土交通省)
  • 建築工事監理指針
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問から整理しています。運営者情報

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