建築士試験 解説ノート

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内装・外装・断熱工事のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 施工の過去問・頻出ポイント

内装・外装・断熱工事は、一級建築士 施工のNo.19・21でくり返し問われるテーマです。

仕上げの納まりと下地への留め方を押さえます。誤りの選択肢は、留付け方や接着剤・含水率を1か所すり替えてきます。だから正しい留付け・正しい材料・正しい下地条件を取り違えないことが対策になります。まず軽量鉄骨下地からです。

軽量鉄骨下地の留付け

天井・壁の下地は、軽量鉄骨(LGS)が主流です。野縁やスタッドの形・留付けが問われます。

項目 基準
野縁の種類屋内 19形、屋外 25形
クリップの留付けつめの向きを交互(千鳥)にする(そろえると野縁がそる)
野縁受・吊りボルト・インサートの間隔900mm程度、周辺部は端から 150mm以内
スタッド天端と上部ランナーの隙間(壁下地)10mm以下
せっこうボードの留付け(鋼製下地・ねじ)周辺部 200mm程度、中間部 300mm程度

狙われるのはクリップの向きです。向きをそろえるのは誤りで、交互(千鳥)にしないと一方向に力が偏り、野縁がそります(令和6年)。ボードの留付けは、周辺部を中間部より密に(200mm<300mm)する点も押さえます。

床仕上げの接着剤の使い分け

床仕上げは、下地と環境(湿気)で接着剤を使い分けます。組合せの取り違えがよく出ます。

仕上げ・条件 接着剤
直張り用複合フローリング(モルタル下地)ウレタン樹脂系
湿気の影響を受けやすい箇所のビニル床シートエポキシ樹脂系(耐水性が高い)

湿気の多い場所には耐水性の高いエポキシ樹脂系を選びます。水まわりに耐水性の低い接着剤を使う記述は誤りです。

外装・塗装の下地条件

塗装・吹付けは、下地の乾燥(含水率)材料の相性が問われます。

  • 仕上塗材の吹付けは、コンクリート下地の表面含水率を 10%以下にして行う(湿っていると膨れ・密着不良。令和7年)
  • ALCパネル下地のモルタル塗りは、貧調合(または専用下地モルタル)とする。富調合は乾燥収縮が大きく、表面強度の低いALCを引きはがす(令和5年)
  • 縦壁ロッキング構法のALCパネル目地のシーリングは、パネルの動きに追従できるよう二面接着とする
  • 夏期にコンクリート下地へ塗装するときは、材齢 21日以上で十分乾燥していることを確認する
  • 特定天井は、天井面構成部材等の自重を 20kg/m²以下とする(天井脱落対策・告示)

断熱工事の要点

断熱は、材料の劣化防止結露防止(防湿層)が核心です。

  • 発泡プラスチック断熱材の屋外保管は、白色または遮熱性のあるシートで覆い、通気を確保する。黒色シートを密着させると熱を吸収して変形・劣化する(令和5年)
  • 防湿層は室内側に設ける(室内の水蒸気が壁内に入って結露するのを防ぐ)
  • 充填断熱工法のポリエチレンフィルム(防湿層)の継目は、木下地のある部分に設け、重ね幅30mm以上とする
  • 断熱材打込み工法で欠落した部分は、同じ断熱材で隙間なく補修する

毎年問われる論点(○が正しい・×が誤り)

論点 正しい記述(○)と、よくある誤り(×)
クリップの留付け ○ つめの向きを交互(千鳥)/× 向きをそろえる
床の接着剤 ○ 湿気の多い箇所はエポキシ樹脂系/× 耐水性の低い接着剤
仕上塗材の下地含水率 ○ 10%以下/× 20%でよい
ALC下地のモルタル ○ 貧調合・専用下地モルタル/× 富調合
断熱材の保管・防湿層 ○ 白色・遮熱シートで通気・防湿層は室内側/× 黒色シートを密着

覚え方

野縁は屋内19・屋外25、クリップは千鳥、床は湿気でエポキシ、仕上塗材は下地含水率10%以下、ALCは貧調合、断熱材は白色シートで通気・防湿層は室内側。留付けの向きと材料・下地条件のすり替えに気づけるよう固定しておきましょう。

過去問の肢で確認

Q.

軽量鉄骨天井下地のクリップは、つめの向きをそろえて留め付ける。〔R6 No.19〕

×。つめの向きは交互(千鳥)にします。そろえると力が一方向に偏り、野縁がそります。これが令和6年 No.19 の正答(誤りの肢)でした。

Q.

仕上塗材の吹付けを、コンクリート下地の表面含水率が20%の状態で行った。〔R7 No.19〕

×。表面含水率10%以下で行います。湿っていると膨れや密着不良が生じます。

Q.

ALCパネル下地のモルタル塗りに、富調合の現場調合モルタルを使った。〔R5 No.19〕

×貧調合または専用下地モルタルを使います。富調合は乾燥収縮が大きく、表面強度の低いALCを引きはがします。

Q.

発泡プラスチック系断熱材の屋外保管で、黒色シートを密着させて覆った。〔R5 No.21〕

×白色または遮熱性のあるシートで覆い、通気を確保します。黒色シートを密着させると熱を吸収して変形・劣化します。

過去問の出題一覧(一級建築士 施工 No.19・21)

年度 No. 正解 主に問われた論点
令和7年194内装・外装(仕上塗材の下地含水率)
令和7年211各種工事(断熱・各部の納まり)
令和6年194軽量鉄骨天井下地(クリップの向き)
令和6年213各種工事(各部の納まり)
令和5年191内装・外装(ALC下地のモルタル)
令和5年211断熱工事(断熱材の保管)
令和4年194内装工事(下地・留付け)
令和4年212各部工事(断熱・納まり)
令和3年194内装工事(下地・留付け)
令和3年211各部工事(断熱・納まり)
令和2年19・213・4内装・外装/各部・断熱の納まり
令和元年19・211・3内装・外装/各部・断熱の納まり
平成30年19・211・4内装・外装/各部・断熱の納まり
平成29年19・211・1内装・外装/各部・断熱の納まり
平成28年19・213・4内装・外装/各部・断熱の納まり

※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。No.19は内装・外装・金属工事が定位置、No.21は各部・各種工事(断熱や各部の納まりを含む)です。軽量鉄骨下地・接着剤・含水率・断熱の論点がくり返し問われます。令和2年以前の解説リンクは順次追加予定です。

混同しやすいポイント

クリップは「交互(千鳥)」(そろえない)

軽量鉄骨天井下地のクリップは、つめの向きを交互(千鳥)に留め付けます。そろえると一方向に力が偏り、野縁がそる原因になります。

床の接着剤(フローリング=ウレタン/湿気のビニル床シート=エポキシ)

直張りフローリングはウレタン樹脂系、湿気の多い箇所のビニル床シートは耐水性の高いエポキシ樹脂系。下地と環境で使い分けます。

ALC下地は「貧調合」(富調合は禁止)

表面強度の低いALCパネルには、乾燥収縮の小さい貧調合・専用下地モルタルを使います。富調合(セメント多め)は収縮でALC表面を引きはがします。

まちがえやすいポイント

誤りの選択肢は留付けの向きを変えたり、接着剤・モルタルの調合・含水率をすり替えたりする形がほとんどです。

とくに「クリップは千鳥」「湿気はエポキシ」「ALCは貧調合」「仕上塗材は含水率10%以下」「防湿層は室内側」は常連。留付け・材料・下地条件を照合してください。

次に確認するページ

出典・参考(実ページで確認)

  • 軽量鉄骨天井下地=野縁は屋内19形・屋外25形、クリップはつめの向きを交互、野縁受・吊りボルト・インサート間隔900mm程度・周辺部端から150mm以内:公共建築工事標準仕様書(14章金属工事)
  • せっこうボードの鋼製下地へのねじ留め間隔=周辺部200mm程度・中間部300mm程度:公共建築工事標準仕様書
  • 直張り複合フローリング=ウレタン樹脂系接着剤/湿気の多い箇所のビニル床シート=エポキシ樹脂系接着剤、仕上塗材吹付けは下地含水率10%以下、ALC下地は貧調合・専用下地モルタル:公共建築工事標準仕様書
  • 特定天井は天井面構成部材等の自重20kg/m²以下(天井脱落対策・国土交通省告示)/断熱の防湿層は室内側・ポリエチレンフィルム継目は重ね幅30mm以上・断熱材は白色/遮熱シートで通気保管
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科V(施工)問題」各年度、正答は同センター公表の正答肢による
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問の問われ方から整理しています。運営者情報

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