令和4年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.23は、鉄筋コンクリート造建築物の外壁改修工事に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 鉛直方向のひび割れへの注入は下部から上部へ。「上部から下部へ」は空気が残り充填不良。 |
| 2 | ○(正しい) | 自動式低圧注入は、注入完了後も器具を付けたまま硬化養生し、硬化を見計らって撤去する。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 既存塗膜を除去しなくてよい場合、水洗い工法で粉化物等を除去し上塗りのみ塗り替える。正しい記述です。 |
| 4 | ○(正しい) | 劣化の著しい塗膜や脆弱部を除去する必要がある場合、高圧水洗工法を採用する。正しい記述です。 |
選択肢1は、鉛直方向のひび割れへの樹脂注入を上部から下部へ行うとする点が誤りで、正しくは下部から上部へです。
選択肢1は「手動式エポキシ樹脂注入工法で、鉛直方向のひび割れ部へのエポキシ樹脂の注入については、ひび割れ部の上部の注入口から下部へ順次行った」としています。どちらの向きから注入するかが論点です。
エポキシ樹脂は液状で、注入すると重力で下へ流れます。縦のひび割れに上から注入すると、樹脂は下へ落ちていき、ひび割れの上側や中ほどに空気が取り残されて、充填しきれない部分ができます。
そこで、まず下部の注入口から注入し、樹脂で下から満たしながら、中の空気を上へ押し上げていきます。下が満ちたら一つ上の注入口へ、という具合に下から上へ順に進めると、すき間なく充填できます。手動式でも自動式でも、鉛直ひび割れは下から上が基本です。縦のひび割れは下から上へ注入と押さえておきましょう。
鉛直方向のひび割れへのエポキシ樹脂注入は、上部と下部のどちらから行う?
下部からです。下から注入して空気を上へ押し上げながら充填します。上から注入すると空気が残り充填不良になります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが誤っている記述)
樹脂は重力で下へ流れるので、下から詰めていくんです。鉛直方向(縦)のひび割れにエポキシ樹脂を注入するとき、上の注入口から入れると、樹脂が下へ流れ落ちる一方で、上側に空気が残って充填不良になります。
そこで注入は下部の注入口から上部へ順次行い、空気を上へ押し上げながら、すき間なく樹脂を充填します。選択肢1は「上部の注入口から下部へ順次行った」としているので向きが逆で誤りなんですね。鉛直ひび割れの樹脂注入は下から上へと押さえましょう。