令和5年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.6は、土工事・山留め工事に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 親杭横矢板壁は遮水性がないため、地下水位の高い地盤では排水工法を併用するのは正しい対応 |
| 2 | ×(誤り) | 逆打ち工法は強度発現後の躯体を支保工として利用する。強度発現前は不可、かつ軟弱地盤の深い掘削にも対応できる |
| 3 | ○(正しい) | 地盤アンカー工法は不整形な掘削や偏土圧がかかる傾斜地に有効で、切梁なしで施工効率を高められる |
| 4 | ○(正しい) | ヒービング対策として剛性の高い山留め壁を良質地盤まで根入れして背面地盤の回り込みを抑えるのは正しい方法 |
選択肢2の「強度が発現する前の地下躯体を支保工として利用する」という記述が誤りで、正しくは強度発現後の躯体を水平支保工として使用するのが逆打ち工法の特徴です。
選択肢2は、逆打ち工法に関する記述です。逆打ち工法は、地下工事を上から下へ順番に行いながら、完成した地下各階の床を山留め壁の水平支保工として活用する工法なんですね。
重要なのは「強度が発現してから水平支保工として使う」という点です。完成した床が切梁の代わりをするわけです。軟弱地盤での深い掘削では、この剛性の高い床を支保工として使えることが大きなメリットになります。
選択肢2は「強度が発現する前の地下躯体を支保工として利用するので、軟弱地盤における深い掘削には適さない」としていますが、2点で誤りです。逆打ち工法は強度発現後の躯体を使い、軟弱地盤の深い掘削にも対応できます。ザックリ言えば、逆打ち工法=強度発現後の床を水平支保工に・軟弱地盤の深い掘削に有利ということです。
逆打ち工法で地下躯体を水平支保工として利用できるのは、どの時点以降か?
躯体強度が発現した後です。強度発現前の躯体を支保工として利用することはできません。
地盤アンカー工法の利点として、どのような掘削形状に有効か?
不整形な掘削平面や傾斜地での偏土圧に有効です。切梁が不要となるため施工効率も向上します。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2(これが誤っている記述)
逆打ち工法は強度発現後の地下各階床・1階床を水平支保工として利用する工法です。「強度発現前の躯体を支保工として利用する」という記述が誤りのポイントです。また軟弱地盤の深い掘削にも対応できる工法として評価されています。