土工事・地業・山留めは、一級建築士 施工のNo.5〜7でくり返し問われるテーマです。
地中の見えない工事なので、崩壊現象の名前と原因を対策とセットで覚えます。誤りの選択肢は、現象名や試験を1か所すり替えてきます。だから「その現象はどの土質か・その試験は何を調べるか」を取り違えないことが対策になります。まず崩壊現象からです。
名前が似た3つの崩壊現象は、どの土質で・何が原因かで区別します。ここが最頻出です。
| 現象 | 土質・原因 | 主な対策 |
|---|---|---|
| ヒービング | 粘性土(軟弱地盤)。背面の土が回り込み、掘削底面が押し上げられる | 根入れを深くする、地盤改良、背面の盤下げ |
| ボイリング | 砂質土。地下水の上昇圧力で、水と砂が掘削底に噴き上げ流動化する | 根入れを深くする、地下水位を下げる、地盤改良 |
| 盤ぶくれ | 掘削底面の下の難透水層の被圧水で、底面が押し上げられる | 遮水性の山留め壁で被圧帯水層を遮断、地下水位を下げる |
引っかけはヒービングとボイリングの入れ替えです。ヒービング=粘性土・土圧、ボイリング=砂質土・地下水と、土質と原因をペアで覚えます。盤ぶくれは「底の下の被圧水」が原因です。
地盤調査は「試験」と「調べる対象」の組合せが問われます。試験名のすり替えに注意します。
| 試験 | 調べる対象 |
|---|---|
| 標準貫入試験(N値) | 地盤の硬軟・支持力、砂層の液状化の判定 |
| 三軸圧縮試験 | 粘性土の粘着力(c)・内部摩擦角(φ) |
| スクリューウエイト貫入試験(SWS) | 深さ10m程度までの軟弱層の簡易調査 |
| 孔内水平載荷試験 | 地盤の水平方向の変形係数(液状化の試験ではない) |
| 平板載荷試験 | 支持力。載荷板中心から 1.2mの範囲を水平に整地する |
狙われるのは「液状化は何で調べるか」です。液状化の判定は標準貫入試験のN値です。孔内水平載荷試験(変形係数)を液状化調査に使うとする記述は誤りになります(令和7年 No.5)。
山留めは工法ごとの止水性・適用地盤、排水は集水のしくみが問われます。
場所打ち杭・既製杭では、検測や継手の数値が問われます。
| 論点 | 正しい記述(○)と、よくある誤り(×) |
|---|---|
| ヒービングとボイリング | ○ ヒービング=粘性土・土圧/ボイリング=砂質土・地下水/× 土質を入れ替える |
| 液状化の判定 | ○ 標準貫入試験のN値/× 孔内水平載荷試験 |
| 盤ぶくれの原因 | ○ 難透水層の被圧水/× 背面の土圧 |
| 釜場の位置 | ○ 掘削底面の最も深い場所/× 最も浅い場所 |
| アースドリルの孔底検測 | ○ 5か所(中心1+端部4)/× 中心1か所だけ |
ヒービングは粘性土、ボイリングは砂質土、盤ぶくれは被圧水、液状化はN値、釜場は最も深い場所、孔底検測は5か所。現象の土質・試験名・設置位置のすり替えに気づけるよう固定しておきましょう。
砂層の液状化の程度を、孔内水平載荷試験で調査した。〔R7 No.5〕
×。液状化の判定には標準貫入試験のN値を用います。孔内水平載荷試験は変形係数を求める試験です。これが令和7年 No.5 の正答(誤りの肢)でした。
釜場を、排水のため掘削底面の最も浅い場所に設けた。〔R6 No.6〕
×。水が自然に集まるよう、掘削底面の最も深い場所に設けます。最も浅い場所では集水できません。
アースドリル工法の孔底の先端深度の検測を、中心1か所で行った。〔R7 No.7〕
×。5か所(中心1か所+端部4か所)で検測します(JASS4)。中心1か所だけでは孔底の傾きを確認できません。
ボイリングは、粘性土地盤で土圧のバランスが崩れて掘削底面が押し上げられる現象である。〔基本〕
×。それはヒービングです。ボイリングは砂質土で、地下水の上昇圧力により水と砂が噴き上げる現象です。
| 年度 | No.(テーマ) | 正解 | 主に問われた論点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 6(土工事・山留め) | 4 | 土工事・山留め(地下水処理) |
| 令和7年 | 7(地業) | 1 | 地業(孔底検測5か所) |
| 令和6年 | 6(土工事・山留め) | 2 | 土工事・山留め(釜場の位置) |
| 令和6年 | 7(地業) | 1 | 地業(杭工事) |
| 令和5年 | 6(土工事・山留め) | 2 | 土工事・山留め(崩壊現象) |
| 令和5年 | 7(地業) | 4 | 地業(場所打ち杭) |
| 令和4年 | 6(土工事・山留め) | 2 | 土工事・山留め |
| 令和4年 | 7(地業) | 3 | 地業(杭工事) |
| 令和3年 | 6(土工事・山留め) | 1 | 土工事・山留め |
| 令和3年 | 7(地業) | 1 | 地業(杭工事) |
| 令和2年 | 6・7 | 4・1 | 土工事・山留め/地業 |
| 令和元年 | 6・7 | 3・3 | 土工事・山留め/地業 |
| 平成30年 | 6・7 | 3・2 | 土工事・山留め/地業 |
| 平成29年 | 6・7 | 3・1 | 土工事・山留め/地業 |
| 平成28年 | 6・7 | 2・3 | 土工事・山留め/地業 |
※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。土工事・山留めはNo.6、杭地業はNo.7が定位置です。地盤調査はNo.5で出題される年があり(令和7・4・元年、令和2・平成29年は仮設工事と複合)、足場が主体の年は足場・仮設工事のまとめで扱います。令和2年以前の解説リンクは順次追加予定です。
混同しやすいポイント
ヒービングは粘性土で土圧バランスの崩れにより底面が押し上がる現象。ボイリングは砂質土で地下水の上昇圧力により水と砂が噴き上げる現象。土質と原因をペアで覚えます。
盤ぶくれは、掘削底面の下にある難透水層の被圧水で底面が持ち上がる現象。遮水性の山留め壁で被圧帯水層を遮断します。
砂層の液状化は標準貫入試験のN値で判定します。孔内水平載荷試験は変形係数を求める試験で、液状化調査ではありません。
出典・参考(実ページで確認)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
誤りの選択肢は現象の土質を入れ替えたり、試験名をすり替えたり、設置位置を逆にしたりする形がほとんどです。
とくに「ヒービング=粘性土/ボイリング=砂質土」「液状化はN値」「釜場は最も深い場所」「孔底検測は5か所」は常連。現象・試験・位置を照合してください。