令和4年度 一級建築士 学科II(環境・設備)No.1は、環境工学に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適当) | 日照図表は、対象点への直射日光が周辺建物に遮られるかを検討するもので、緯度ごと・季日ごとに描かれる。適当です。 |
| 2 | ○(適当) | UA値は、単位温度差当たりの外皮総熱損失量を外皮総面積で除した値。適当です。 |
| 3 | ○(適当) | ブーミング現象は、低い周波数領域ほど、また室の寸法が小さいほど固有周波数密度が疎になり起こりやすい。適当です。 |
| 4 | ×(不適当) | 空気齢が小さいほど、排気口に至るまでの時間(空気余命)は長くなる。「短くなる」は逆で誤り。 |
選択肢4は、空気寿命が一定のとき「空気齢が小さいほど汚染質が排気口に至るまでの時間が短くなる」とする点が誤りで、正しくは長くなります。
選択肢4は、空気齢と、汚染質が排気口に至るまでの時間との関係についての記述です。空気齢・空気余命・空気寿命の関係が論点です。
室内のある点に注目すると、空気齢は給気口からその点まで新鮮な空気が届くのにかかった時間、空気余命はその点から排気口までに出ていくのにかかる時間を表します。この二つを足したものが空気寿命で、給気口から排気口までの全体の時間です。
ここで空気寿命(全体の時間)が一定だとすると、空気齢が小さい(新鮮な空気がすぐ届く)点は、その分だけ残りの空気余命が大きくなります。つまり、その点で発生した汚染質が排気口に至るまでの時間は長くなるわけです。選択肢4は、これを「短くなる」と逆に述べているので誤りですね。
ザックリ言えば、空気寿命一定なら、空気齢が小さいほど空気余命(排気口に至る時間)は長いということです。空気齢と空気余命の足し算の関係で考えましょう。
空気齢が小さいほど汚染質が排気口に至る時間は短い?
逆です。空気寿命が一定なら、空気齢が小さいほど空気余命が大きく、汚染質が排気口に至るまでの時間は長くなります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)
空気齢は給気口から「その点」に空気が届くまでの時間、空気余命は「その点」から排気口に出ていくまでの時間で、両者の和が空気寿命です。空気寿命が一定なら、空気齢が小さいほど空気余命は大きくなるので、汚染質が排気口に至るまでの時間は長くなります。選択肢4の「短くなる」は逆で誤りなんですね。
日照図表・UA値・ブーミング現象の記述は、いずれも正しい。空気寿命=空気齢+空気余命(空気齢が小さいほど余命は長い)と押さえましょう。