建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 環境・設備
  4. 令和6年
  5. > No.1 環境工学用語

令和6年度 一級建築士 設備 No.1を解説、作用温度と自然室温の取り違えを見抜くポイント

令和6年度 一級建築士 学科II(環境・設備)No.1は、環境工学の用語に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. クリモグラフ(気候特性を表す図)
  2. 自然室温(作用温度との取り違え)
  3. 輝度(光環境の指標)
  4. A特性(騒音レベルの周波数補正)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

選択肢2が説明する「室内の空気温度と平均放射温度の重み付け平均で表され、発汗の影響が小さい環境下の熱環境指標」というのは、作用温度(OT=オペレーティブ・テンパラチャー)の定義です。

一方、自然室温は、空調(冷暖房)を行わないときに、室が自然に到達する温度のことです。選択肢2は作用温度の定義を自然室温に当てているため不適当なんですね。用語名と定義の取り違えです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) クリモグラフは、気温・相対湿度・降水量等のうち2種類を座標軸にとり、月ごとの値をプロットして気候特性を表す図です。適当な記述です。
2 ×(不適当) 空気温度と平均放射温度の重み付け平均は作用温度(OT)の定義です。自然室温とした記述は用語の取り違えで、不適当です。
3 ○(適当) 輝度は、発光面の見かけの単位面積当たりの光度で、ある点を見たとき眼に入る光の強さを表します。適当な記述です。
4 ○(適当) A特性は、等ラウドネス曲線の40phonに対応した周波数感度補正を行う特性で、騒音レベルの算出に用います。適当な記述です。

選択肢2の「自然室温は、空気温度と平均放射温度の重み付け平均で表される」という記述が誤りで、この定義は作用温度(OT)のものです。

選択肢2のポイント

選択肢2は、自然室温に関する記述です。「室内の空気温度と平均放射温度の重み付け平均で表され、発汗の影響が小さい環境下の熱環境指標」というのは、作用温度(OT)の定義なんですね。空気温度だけでなく周囲からの放射(壁や窓の表面温度)も含めて、人が感じる暑さ・寒さを表した温度です。

一方で自然室温は、冷暖房をしないときに室が自然に落ち着く温度のことです。断熱・蓄熱性能の評価に使う、まったく別の概念ですね。選択肢2は作用温度の定義文を「自然室温」という名前に貼り付けた引っ掛けで、用語名と定義の取り違えが誤りです。

ザックリ言えば、空気温度と平均放射温度の重み付け平均=作用温度(自然室温ではない)ということです。「空気温度と放射温度の重み付け平均」というフレーズが出たら、作用温度の決まり文句だと気づけば、名前のすり替えにすぐ反応できます。

覚え方

  • 作用温度(OT)=空気温度と平均放射温度の重み付け平均(自然室温ではない)
  • 自然室温=空調なしで室が自然に到達する温度(断熱・蓄熱性能の評価)
  • クリモグラフ=2要素で気候特性/輝度=見かけの単位面積当たりの光度/A特性=40phon対応の騒音補正
Q.

空気温度と平均放射温度の重み付け平均で表される温度は?

作用温度(OT)です。自然室温は、空調を行わないときに室が自然に到達する温度のことで、別の概念です。

令和6年 一級建築士 環境・設備 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科の試験 学科II(環境・設備)問題」
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

▼令和6年 一級建築士 環境・設備▼

▼他の年度▼

▼過去問一覧▼

Topへ >>