令和5年度 二級建築士試験 学科I(建築計画)No.1は、日本の歴史的な建築物に関する問題です。
この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 唐招提寺金堂は和様、一重、寄棟造りで前面1間を吹放しとしています。正しい記述です。 |
| 2 | ○(正しい) | 東求堂は書院造りの先駆けで、同仁斎は四畳半茶室の最初と伝えられます。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 伊勢神宮内宮正殿は神明造りで、式年遷宮によって造替が続けられています。正しい記述です。 |
| 4 | ○(正しい) | 浄土寺浄土堂は、太い繁虹梁や挿肘木による大仏様の建築物です。正しい記述です。 |
| 5 | ×(誤り) | 三仏寺投入堂は崖の窪みに建つ懸造りです。「日吉造り」は誤りです。 |
選択肢5の「日吉造りの建築物」という記述が誤りで、三仏寺投入堂は懸造りです。
選択肢5は「三仏寺投入堂は、岩山の崖の窪みに建てられた日吉造りの建築物である」としていますが、ここが誤りです。投入堂は崖にせり出して床を支える懸造り(かけづくり)の建築物なんです。
三仏寺投入堂は、修験道の道場として険しい岩山の崖の窪みに建てられた奥院ですね。長い柱や貫を組んで床を高く支え、地形に逆らわず建物をのせる懸造りの代表例で、京都の清水寺本堂(清水の舞台)も同じ懸造りです。一方「日吉造り」は滋賀の日吉大社に見られる神社本殿の様式で、崖建築とは関係ありません。
誤りの核心は、投入堂の様式を日吉造りとした点です。三仏寺投入堂は懸造り(崖にせり出す)と押さえましょう。
三仏寺投入堂の建築様式は?
崖の窪みに床を支えて建てる懸造りです。清水寺本堂も同じ懸造りです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月(出題時点の知識・基準に基づく)
正解:選択肢5(これが誤っている記述)
三仏寺投入堂は、急な岩山の崖の窪みに、長い柱で床を支えて建てられた建築物です。このように斜面や崖にせり出して建てる形式を懸造り(かけづくり)といいます。
選択肢5は様式を「日吉造り」としているので誤りなんです。日吉造りは日吉大社などの神社本殿の形式で、投入堂とは別ものです。三仏寺投入堂は懸造りと押さえましょう。