色彩は一級建築士 環境・設備のNo.8で、過去10年ほぼ毎年1問出ます。問われるのは、色を数値で表す表色系と、混色・比視感度といった色の見え方です。引っ掛けは、属性や三原色、比例の関係を入れ替えた選択肢が多いです。まず表色系から押さえます。
表色系は、色を記号や数値で表すしくみです。代表がマンセル表色系とXYZ表色系です。
マンセル表色系は、色相(H)・明度(V)・彩度(C)の3つの属性で色を表します。表記は「色相 明度/彩度」(H V/C)の順です。
明度Vは0(黒)〜10(白)。彩度Cの最大値は色相によって異なり、10を超えるものもあります(最も高いのは黄で約14)。
XYZ表色系の三刺激値X・Y・Zのうち、Yは明るさを表し、反射物体では視感反射率にあたります。
注意したいのがxy色度図です。色度図上の2点間の距離は、知覚される色の隔たり(色差)には比例しません。色差をきちんと測るために、別の均等色空間が用意されています。
混色には2種類あり、三原色も明るさの変わり方も違います。ここのすり替えがよく出る引っ掛けです。
| 混色 | 三原色 | 混ぜると |
|---|---|---|
| 加法混色(光) | 赤・緑・青(RGB) | 明るくなる(白へ) |
| 減法混色(色料) | シアン・マゼンタ・イエロー(CMY) | 暗くなる(黒へ) |
ディスプレイの光は加法混色、絵の具や印刷インクは減法混色です。三原色と明るさの変わり方をセットで覚えます。
比視感度は、同じエネルギーの光でも波長によって明るさの感じ方が違うことを表します。明るい場所(明所視)では555nm付近の黄緑〜緑がいちばん明るく感じます。だから同じエネルギーでも、赤より緑のほうが明るく見えます。暗い場所(暗所視)ではピークが507nm付近へ短い波長側にずれます(プルキンエ現象)。
色の面積効果は、同じ色でも面積が大きいほど明度・彩度が高く(鮮やかに)感じられる効果です。小さい色見本で選ぶと、実際の壁面では明るく鮮やかに見えがちです。
カラーユニバーサルデザインでは、色を見分けやすくするため、色相の差だけでなく明度の差を重視します。
過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。
| 記述 | ○× |
|---|---|
| XYZ表色系の三刺激値のうち、Yは反射物体の色の場合、視感反射率を示す | ○ |
| マンセル表色系のバリュー(明度)は、0から10までの数値で表される | ○ |
| 色光の加法混色は、混ぜ合わせる光を増やすほど白色に近くなる | ○ |
| xy色度図上の2点間の距離は、知覚される色差に比例する | × |
| 減法混色は、混ぜ合わせる色の数が増えるほど明るくなる | × |
| 色の面積効果は、面積が小さいほど明度・彩度が高く感じられる | × |
| 明所視では、同じ放射エネルギーなら赤色のほうが緑色より強く感じられる | × |
×を正しく直すと、xy色度図の距離は色差に比例しない/減法混色は混ぜるほど暗くなる(明るくなるのは加法混色)/面積効果は大きいほど明度・彩度が高い/明所視では緑(555nm)のほうが赤より強く感じる、です。
色彩は、表色系・混色・比視感度から毎年No.8で問われています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 論点/解説 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 8 | 1 | 色彩(xy色度図・視感反射率・カラーUD) |
| 令和6年(2024) | 8 | 3 | 色彩 |
| 令和5年(2023) | 8 | 4 | 色彩 |
| 令和4年(2022) | 8 | 4 | 色彩 |
| 令和3年(2021) | 8 | 2 | 色彩(減法混色・視感反射率)※解説は順次追加予定 |
| 令和2年(2020) | 8 | 2 | 色彩(比視感度・加法混色・マンセル)※解説は順次追加予定 |
| 令和元年(2019) | 8 | 3 | 色彩(色名・照度と色温度)※解説は順次追加予定 |
| 平成30年(2018) | 8 | 2 | 色彩 ※解説は順次追加予定 |
| 平成29年(2017) | 8 | 3 | 色彩 ※解説は順次追加予定 |
| 平成28年(2016) | 8 | 2 | 色彩(面積効果・演色性)※解説は順次追加予定 |
加法混色の三原色は、シアン・マゼンタ・イエロー?
違います。加法混色(光)の三原色は赤・緑・青(RGB)です。シアン・マゼンタ・イエローは減法混色(色料)の三原色です。
xy色度図の上で、2点間の距離は色の違い(色差)に比例する?
比例しません。xy色度図は知覚的に均等ではないため、距離が色差と一致しません。色差を測るには別の均等色空間を使います。
色の面積効果は、面積が小さいほど明度・彩度が高く感じる?
逆です。面積が大きいほど明度・彩度が高く(鮮やかに)感じられます。小さな色見本で選ぶと、実際の壁面では明るく鮮やかに見えがちです。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
加法混色(光)の三原色は赤・緑・青(RGB)です。「シアン・マゼンタ・イエロー」は減法混色(色料)の三原色で、すり替えがよくある誤りです。
XYZ表色系のxy色度図では、2点間の距離は色差に比例しません。色の面積効果は、面積が大きいほど明度・彩度が高く感じられます(小さいほど、ではありません)。