建築士試験 解説ノート

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採光・照明のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 環境・設備の過去問・頻出ポイント

採光・照明は一級建築士 環境・設備のNo.6〜7あたりで毎年出ます。問われるのは、昼光率の性質と、光束・光度・照度・輝度といった指標の区別です。引っ掛けは、指標の定義や比例の向きを少しずらした選択肢が多いです(昼光率は空が明るい日ほど大きい、照度は距離に反比例、など)。まず採光と昼光率から押さえます。

採光と昼光率

昼光率は、室内のある点の照度を、屋外の全天空照度で割った割合です(昼光率=室内のある点の照度 ÷ 全天空照度 × 100%)。全天空照度は、さえぎるものがない屋外で天空光から受ける照度で、直射日光は含みません

大事な性質があります。全天空照度(空の明るさ)が変わっても、昼光率は変わりません。昼光率は窓や室の形で決まり、天候や時刻に左右されないからです。

なお、曇りの空の明るさを定めたCIE標準曇天空では、空の明るさは高度(仰角)で決まり、天頂がいちばん明るくなります。方位にはよりません

光の4つの指標の早見表(光束・光度・照度・輝度)

照明では、光を4つの指標で表します。どこを見た量なのかで区別します。

指標(単位) 意味
光束(lm) 光源から出る光の量そのもの。
光度(cd) ある方向へ出る光の強さ。
照度(lx) 面が受ける光の量。
輝度(cd/m²) 面の明るさ。光源面だけでなく反射面・透過面でも定義できる。

点光源の照度は、光源からの距離の2乗に反比例します(逆2乗の法則、E=I/R²)。距離が2倍になると照度は1/4です。

面の明るさと面が受ける光の関係も問われます。均等拡散面では、輝度=反射率×照度÷π です。つまり照度は輝度に比例し、反射率には反比例します(輝度と反射率の積ではありません)。

照明の質(グレア・演色性・色温度)

明るさの量だけでなく、見え方の質も問われます。

グレアはまぶしさのことです。人工照明のまぶしさはUGR(屋内統一グレア評価値)で評価します。

演色性は、光が物の色を自然に見せる度合いで、演色評価数(Ra)で表します(最大100)。色温度は光の色みで、高いほど青白くなります。就寝前に色温度の高い光を浴びすぎると体内リズム(サーカディアンリズム)が乱れます。

まちがえやすいポイント

昼光率は、空が明るくても暗くても変わりません(全天空照度に対する割合だから)。「明るい日ほど昼光率が大きい」は誤りです。

均等拡散面では、照度は輝度を反射率で割った形です。「照度は輝度と反射率の積に比例する」は逆で誤りです。点光源の照度は距離の2乗に反比例(単なる反比例ではない)も定番です。

過去問の論点○×

過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。

記述 ○×
昼光率は、天空の輝度分布が一様であれば、全天空照度の影響を受けない
輝度は、光源面だけでなく、反射面・透過面についても定義できる
点光源による受照面の照度は、光源からの距離の2乗に反比例する
CIE標準曇天空下では、鉛直面照度は壁面の方位(南向き・西向き)によって変わる ×
昼光率には、直射日光(直射光)も含める ×
均等拡散面の照度は、輝度と反射率の積に比例する ×
色温度は、値が高いほど青白い光色になる

×を正しく直すと、CIE標準曇天空下の鉛直面照度は方位によらない(高度で決まる)/昼光率は直射日光を含まない(天空光のみ)/均等拡散面の照度は輝度を反射率で割った形(輝度に比例・反射率に反比例)、です。

過去問の出題一覧(一級建築士 環境・設備)

採光・照明は、昼光率・光の指標・照明の質から毎年問われています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。

年度 No. 正解 論点/解説
令和7年(2025)71昼光・照明(CIE曇天空・昼光率・輝度) ※No.6(正解4)で日照・日射・採光も出題
令和6年(2024)72照明 ※No.6(正解1)日照・日射・採光も出題
令和5年(2023)72点光源の鉛直面照度(計算)※解説は順次追加予定
令和4年(2022)61日照・日射・採光
令和3年(2021)73照明(グレア・演色性ほか)※解説は順次追加予定
令和2年(2020)71照明 ※No.6(正解3)で日照・日射・採光も出題
令和元年(2019)74点光源による照度(計算)※解説は順次追加予定
平成30年(2018)61昼光率(計算)※解説は順次追加予定
平成29年(2017)73昼光・照明 ※解説は順次追加予定
平成28年(2016)73昼光・照明 ※解説は順次追加予定

覚え方

  • 昼光率=室内照度÷全天空照度。天候・時刻で変わらず一定、直射は含まない。
  • 光束(量)→光度(方向の強さ)→照度(面が受ける)→輝度(面の明るさ。反射面・透過面でも定義)。
  • 点光源の照度は距離の2乗に反比例(逆2乗)。距離2倍で1/4。
  • 均等拡散面は輝度=反射率×照度÷π。CIE標準曇天空は方位によらない(高度で決まる)。

理解度チェック

Q.

昼光率は、空が明るい日ほど大きくなる?

変わりません。昼光率は全天空照度に対する室内照度の割合で、窓や室の形で決まります。空の明るさ(全天空照度)が変わっても割合は一定です。

Q.

点光源からの照度は、距離に単純に反比例する?

違います。照度は距離の2乗に反比例します(逆2乗の法則、E=I/R²)。距離が2倍になると照度は1/4です。

Q.

輝度は、光源の面だけにしか定義できない?

違います。輝度は光源面だけでなく、反射面や透過面についても定義できます。面の明るさを表す指標だからです。

出典・参考

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科II(環境・設備)問題」および「正答肢」各年度
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

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