「都市はツリーではない」は、クリストファー・アレグザンダーが1965年に発表した論文です。都市の成り立ちを2つの構造モデルで論じました。ツリーとセミラティスです。
違いは、要素が重なり合うかどうかです。ツリーは重なりなく階層的に枝分かれする構造、セミラティスは要素どうしが重なり合う網目状の構造です。
アレグザンダーは、自然にできた都市はセミラティス、計画的につくられた都市はツリーになりがちだと指摘しました。試験では、どちらが自然都市かが狙われます。
| 構造 | 要素の関係 | あてはまる都市 |
|---|---|---|
| ツリー | 集合が重ならず、階層的に枝分かれする(単純) | 計画的につくられた人工都市・田園都市など |
| セミラティス | 集合どうしが部分的に重なり合う網目状(複雑) | 長い時間をかけて自然にできた自然都市 |
ツリーは、要素がきれいに分かれて重ならない構造です。セミラティスは、たとえば店と道と人の流れが重なり合うように、要素が複数のまとまりにまたがる構造です。
アレグザンダーは、要素の重なり合いこそが都市の豊かさを生むと考えました。住む・働く・買う・出会うといった活動が重なる場所に、活気が生まれます。
一方、機能をきれいに分けて配置したツリー型の計画都市は、分かりやすい反面、こうした重なりが失われて単調になりやすいと批判しました。「都市はツリーではない」という題は、この主張を表しています。
この考え方は、後の『パタン・ランゲージ』(1977年)につながります。良い環境をつくる多数のパターン(設計の語彙)を示し、住民も使えるようにした考え方で、画一的な計画への批判という点で一貫しています。
一級建築士 計画では、建築・都市の著作と著者・説明を組み合わせる問題で出ます。問題本文は公式PDFで確認できます。
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 一級 平成29年 No.4 | アレグザンダー『パタン・ランゲージ』と「過去の事例から都市や建築を形づくる基本原則を示した」の組合せ(正しい記述) |
同じアレグザンダーの「都市はツリーではない」(ツリーとセミラティス)は、この設問では直接は問われていません。自然にできた都市はセミラティス、計画都市はツリーになりがち、という対応を逆にしないことが要です。
ツリーとセミラティスの違いは?
ツリーは集合が重ならず階層的に枝分かれする構造、セミラティスは集合どうしが部分的に重なり合う網目状の構造です。重なりがあるのがセミラティスです。
自然にできた都市はどちらの構造?
セミラティス構造です。アレグザンダーは、自然都市は要素が重なり合うセミラティス、計画都市は重なりのないツリーになりがちだと論じました。
「都市はツリーではない」は、都市をツリー(重なりなく階層的・計画都市)とセミラティス(重なり合う網目状・自然都市)で対比した論文です。重なり合いが都市の豊かさを生むという主張で、後のパタン・ランゲージにつながる、と押さえます。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
対応がいちばん狙われます。自然にできた都市はセミラティス、計画的につくられた都市はツリーになりがちです。
「自然都市はツリー構造」「計画都市はセミラティス構造」と書いてあれば誤りです。重なり合う豊かな構造がセミラティス、重なりなく分かれる構造がツリーです。