建築士試験 解説ノート

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令和元年度 一級建築士 法規 No.11を解説、帳壁の風圧確認(令82条の4)を見抜くポイント

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令和元年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.11は、建築物の構造計算に関する問題です。4つの記述のうち、誤っているものを選びます。

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この問題のポイント

構造計算は、許容応力度等計算や保有水平耐力計算といったルートごとの手続きと、ルートにかかわらず必要な検討とが混ざって出題されます。この問題では、帳壁の風圧確認、地震力計算に用いる積載荷重、地下部分の地震力、エキスパンションジョイントで接する部分の扱いが並びます。

引っかけの核心は、帳壁の風圧確認です。屋外に面する帳壁は、保有水平耐力計算をしていても、別途風圧に対して構造耐力上安全であることを確かめなければなりません。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢1(誤っている記述)

建築関係法令集 法令編(総合資格)

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構造計算のルート判定は、令82条系を行き来します。どの検討がルート共通で、どこが省略できるのかは、線引きした法令集で条文を並べて確認すると整理できます。

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 屋外に面する帳壁は、保有水平耐力計算をしていても、別途、風圧に対して構造耐力上安全であることを確かめなければなりません(令82条の4)。確かめなくてよいとした点が誤りです。
2 ○(正しい) 地震力の計算に用いる積載荷重は、令85条の表の地震用の値によります。学校のバルコニーは表に定める値で計算でき、1,300N/m²とする点は正しい記述です(令85条)。
3 ○(正しい) 地下部分に作用する地震力は所定の式で計算しますが、地震時の建築物の振動の性状を適切に評価して計算できる場合は、その計算によることができます(令88条4項)。正しい記述です。
4 ○(正しい) エキスパンションジョイント等の相互に応力を伝えない構造方法のみで接する2以上の部分は、それぞれ別の建築物とみなして構造計算できます(令36条の4)。正しい記述です。

選択肢1は、屋外に面する帳壁の風圧に対する安全確認を省略できるとした点が誤りで、正しくは構造計算のルートにかかわらず確認しなければなりません。

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選択肢1のポイント(ここが誤り)

屋根ふき材、外装材、屋外に面する帳壁は、風圧に対して構造耐力上安全であることを、大臣が定める基準に従った構造計算で確かめなければなりません(令82条の4)。

これは、建築物全体について行う許容応力度等計算や保有水平耐力計算とは別枠の検討です。帳壁などは部材が小さく、面全体ではなく取り付け部分の局部的な風圧で壊れたり外れたりするため、独立して確かめる必要があるからです。

つまり、保有水平耐力計算で安全性を確かめた建築物であっても、屋外に面する帳壁の風圧確認は省略できません。選択肢1はこの確認を「しなくてよい」とした点が誤りです。高さ20mの鉄骨造という条件は、判断を変えません。

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覚え方

  • 屋根ふき材・外装材・屋外に面する帳壁 → ルートにかかわらず風圧の安全確認は必須(令82条の4・平12建告1458号)
  • 地震力用の積載荷重 → 令85条の表の地震用(最小)の値による(令85条)
  • 地下部分の地震力 → 原則は所定の式。振動性状を適切に評価できれば当該計算でよい(令88条4項)
  • 応力を伝えないジョイントのみで接する部分 → それぞれ別の建築物とみなして計算(令36条の4)

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理解度チェック

Q.

保有水平耐力計算で安全を確かめた建築物なら、屋外に面する帳壁の風圧確認は省略できるか。

省略できません。屋外に面する帳壁は、構造計算のルートにかかわらず、風圧に対して構造耐力上安全であることを別途確かめます(令82条の4)。

Q.

エキスパンションジョイントだけで接している高さの異なる2つの部分は、どう構造計算するか。

相互に応力を伝えない構造方法のみで接している場合は、それぞれ別の建築物とみなして、各部分で必要な構造計算の方法を用いることができます(令36条の4)。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和元年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第36条の4(別の建築物とみなすことができる部分)・第82条の4(屋根ふき材等の構造計算)・第85条(積載荷重)・第88条(地震力)
  • 平成12年建設省告示第1458号(屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に対する構造計算の基準)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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