建築士試験 解説ノート

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令和元年度 一級建築士 法規 No.12を解説、保有水平耐力計算で適用除外になる規定を見抜くポイント

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令和元年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.12は、保有水平耐力計算によって安全性が確かめられた建築物の構造強度に関する問題です。4つの記述のうち、誤っているものを選びます。

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この問題のポイント

構造の仕様規定(柱の鉄筋の納まりや材料の品質など)は、原則としてすべての建築物に適用されます。ただし、保有水平耐力計算によって安全性を確かめた建築物は、令36条2項一号によって、一部の仕様規定の適用が除外されます。建物全体の粘り強さ(靱性)を計算で確かめているからです。

この問題では、コンクリートの圧縮強度、柱の主筋と帯筋の緊結、鉄骨の材料、ボルトの中心距離が並びます。引っかけの核心は、柱の主筋と帯筋の緊結が、保有水平耐力計算をした建築物では適用除外になる点です。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢2(誤っている記述)

建築関係法令集 法令編(総合資格)

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この問題は、令36条2項の適用除外リストを引けるかで決まります。除外される条文に法令集で印を付けておくと、構造強度の正誤問題が一気に解きやすくなります。

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) コンクリートの4週圧縮強度は、1mm²につき12N(軽量骨材を使う場合は9N)以上とします(令74条1項)。材料の品質規定は保有水平耐力計算でも適用されます。正しい記述です。
2 ×(誤り) 柱の主筋と帯筋の緊結は令77条二号の規定ですが、保有水平耐力計算で安全性を確かめた建築物では、令36条2項一号により適用が除外されます。一律に「緊結しなければならない」とした点が誤りです。
3 ○(正しい) 鉄骨造の構造耐力上主要な部分の材料は、炭素鋼若しくはステンレス鋼又は鋳鉄とします(令64条1項)。材料規定なので適用除外されません。正しい記述です。
4 ○(正しい) 高力ボルト、ボルト又はリベットの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上とします(令68条1項)。この規定も適用除外の対象外です。正しい記述です。

選択肢2は、令77条二号(柱の主筋と帯筋の緊結)を必ず守らなければならないとした点が誤りで、保有水平耐力計算をした建築物ではこの規定が適用除外になります。

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選択肢2のポイント(ここが誤り)

保有水平耐力計算は、大地震時に建築物が保有する水平耐力を直接計算して安全性を確かめる方法です。この計算で安全性を確かめた建築物には、令36条2項一号により、令77条二号から六号などの仕様規定が適用されません

適用除外になるのは、柱の主筋と帯筋の緊結(二号)、帯筋の径と間隔(三号)、帯筋比(四号)、柱の小径(五号)、主筋の断面積(六号)などです。鉄筋の継手・定着(令73条)も同じく除外されます。計算で粘り強さを確かめている以上、これらの納まりの仕様まで一律に縛る必要がないからです。

したがって、選択肢2のように「保有水平耐力計算をした建築物でも柱の主筋は帯筋と緊結しなければならない」と言い切るのは誤りです。一方で、コンクリートや鋼材の品質(選択肢1・3)やボルトの中心距離(選択肢4)は適用除外の対象ではなく、引き続き守る必要があります。

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覚え方

  • 保有水平耐力計算で安全を確かめた建築物 → 令36条2項一号で仕様規定の一部が適用除外
  • 除外される代表 → 令77条二〜六号(主筋と帯筋の緊結・帯筋の径と間隔・帯筋比・柱の小径・主筋断面積)、令73条(継手・定着)
  • 除外されないもの → 材料の品質(令74条コンクリート・令64条鋼材)、令68条(ボルト等の中心距離は径の2.5倍以上)
  • 考え方 → 計算で靱性を確かめた分、納まりの仕様規定をゆるめる。材料の最低品質は別枠で必須

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理解度チェック

Q.

保有水平耐力計算で安全性を確かめた建築物では、柱の主筋と帯筋の緊結(令77条二号)は必ず守らなければならないか。

必ずしも守る必要はありません。令36条2項一号により、令77条二号などの仕様規定は適用が除外されます。

Q.

保有水平耐力計算をすれば、コンクリートの圧縮強度の規定(令74条)も適用除外になるか。

なりません。材料の品質に関する規定は適用除外の対象ではなく、保有水平耐力計算をした建築物でも守る必要があります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和元年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第36条(構造方法に関する技術的基準)・第64条(材料)・第68条(高力ボルト、ボルト及びリベット)・第73条(鉄筋の継手及び定着)・第74条(コンクリートの強度)・第77条(柱の構造)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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