構造計算ルートは法規No.11〜13で毎年問われます。問われ方は「ルートごとに、その規定が適用されるか・外れるか」と「構造強度の数値」の2つです。まずルートの全体像から押さえます。
構造計算ルートは、建物の規模に応じてどこまで計算するかの3段階です。番号が大きいほど詳しく確かめます。
| ルート | 計算方法 | 何を確かめるか |
|---|---|---|
| ルート1 | 許容応力度計算 | 各部材の応力が許容応力度の範囲内かを確認(一次設計) |
| ルート2 | 許容応力度等計算 | ルート1に加え、地震時の変形のかたより(剛性率・偏心率)を確認 |
| ルート3 | 保有水平耐力計算 | 大地震で持ちこたえる力(保有水平耐力)を確認。終局耐力で見るため、細かい仕様規定の一部が適用除外になる(令36条2項) |
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 許容応力度 | 短期=長期の1.5倍(短期=基準強度、長期=基準強度÷1.5) |
| かぶり厚さ | 直接土に接する壁・柱・床等は4cm以上 |
| コンクリート四週圧縮強度 | 12N/mm²以上(軽量骨材は9N) |
| 高力ボルト孔径 | ボルト径より2mmを超えて大きくしない |
引っかけで多いのは保有水平耐力計算(ルート3)で外れる規定です。「保有水平耐力計算でも〇〇しなければならない」は誤りになりやすい記述です。
| 保有水平耐力計算では | 対象の規定 |
|---|---|
| 外れる(適用しなくてよい) | 継手・定着(令73条)/柱の主筋と帯筋の緊結(令77条二〜六号)/はりの構造(令78条)/耐力壁の鉄筋(令78条の2 三号) |
| 外れない(必ず守る) | かぶり厚さ4cm(令79条)/耐力壁の厚さ/コンクリートの強度 |
| そもそもルート2の確認 | 剛性率6/10・偏心率15/100(ルート3では確認不要) |
引っかけで多いのは「厚さ・かぶりは外れない」と「剛性率・偏心率はそもそもルート2の宿題」。「保有水平耐力計算なら全部外れる」は誤りです。
保有水平耐力計算は終局耐力で勝負=細かい鉄筋の仕様は外れる。でも厚さ・かぶりは外れない。剛性率6/10・偏心率15/100はルート2の宿題(ルート3では不要)。
保有水平耐力計算でも、柱の主筋は帯筋と緊結しなければならない。〔R7 No.11〕
×。柱の主筋と帯筋の緊結(令77条二号)は保有水平耐力計算で適用が外れます。これが正答(誤りの肢)でした。
保有水平耐力計算で、各階の剛性率が6/10以上であることを確かめなくてよい。〔R6 No.12〕
○。剛性率6/10・偏心率15/100は許容応力度等計算(ルート2)の確認事項。保有水平耐力計算では不要です。
保有水平耐力計算では、耐力壁の厚さの規定も適用が外れる。〔R6 No.11〕
×。外れるのは耐力壁の鉄筋の規定で、厚さは外れません。「全部外れる」と思うと引っかかります。
| 年度 | No. | 正解 | 主に問われた論点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 11 | 1 | 保有水平耐力計算で外れる規定(主筋と帯筋の緊結) |
| 令和6年 | 11 | 2 | 外れる規定/外れない規定(耐力壁の厚さ) |
| 令和5年 | 11 | 2 | 計算ルートと適用される規定・確認事項 |
| 令和4年 | 11 | 4 | 構造強度・構造計算 |
| 令和3年 | 11 | 3 | 構造強度・構造計算 |
| 令和2年 | 11 | 4 | 構造強度・構造計算 |
| 令和元年 | 11 | 1 | 構造強度・構造計算 |
| 平成30年 | 11 | 3 | 構造強度・構造計算 |
| 平成29年 | 11 | 2 | 構造強度・構造計算 |
| 平成28年 | 11 | 2 | 構造強度・構造計算 |
※構造強度(No.12・13)も毎年出題され、上の「数値」が問われます。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月