建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. > 構造計算 まとめ

構造計算ルートのまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 法規の過去問・頻出ポイント

構造計算ルートは法規No.11〜13で毎年問われます。問われ方は「ルートごとに、その規定が適用されるか・外れるか」と「構造強度の数値」の2つです。まずルートの全体像から押さえます。

構造計算ルートとは(ルート1〜3の早見)

構造計算ルートは、建物の規模に応じてどこまで計算するかの3段階です。番号が大きいほど詳しく確かめます。

ルート 計算方法 何を確かめるか
ルート1 許容応力度計算 各部材の応力が許容応力度の範囲内かを確認(一次設計)
ルート2 許容応力度等計算 ルート1に加え、地震時の変形のかたより(剛性率・偏心率)を確認
ルート3 保有水平耐力計算 大地震で持ちこたえる力(保有水平耐力)を確認。終局耐力で見るため、細かい仕様規定の一部が適用除外になる(令36条2項)

よく出る数値

項目 数値
許容応力度短期=長期の1.5倍(短期=基準強度、長期=基準強度÷1.5)
かぶり厚さ直接土に接する壁・柱・床等は4cm以上
コンクリート四週圧縮強度12N/mm²以上(軽量骨材は9N
高力ボルト孔径ボルト径より2mmを超えて大きくしない

構造計算ルートで外れる規定・外れない規定

引っかけで多いのは保有水平耐力計算(ルート3)で外れる規定です。「保有水平耐力計算でも〇〇しなければならない」は誤りになりやすい記述です。

保有水平耐力計算では 対象の規定
外れる(適用しなくてよい) 継手・定着(令73条)/柱の主筋と帯筋の緊結(令77条二〜六号)/はりの構造(令78条)/耐力壁の鉄筋(令78条の2 三号)
外れない(必ず守る) かぶり厚さ4cm(令79条)/耐力壁の厚さ/コンクリートの強度
そもそもルート2の確認 剛性率6/10・偏心率15/100(ルート3では確認不要)

引っかけで多いのは「厚さ・かぶりは外れない」と「剛性率・偏心率はそもそもルート2の宿題」。「保有水平耐力計算なら全部外れる」は誤りです。

覚え方

保有水平耐力計算は終局耐力で勝負=細かい鉄筋の仕様は外れる。でも厚さ・かぶりは外れない。剛性率6/10・偏心率15/100はルート2の宿題(ルート3では不要)。

過去問の肢で確認

Q.

保有水平耐力計算でも、柱の主筋は帯筋と緊結しなければならない。〔R7 No.11〕

×。柱の主筋と帯筋の緊結(令77条二号)は保有水平耐力計算で適用が外れます。これが正答(誤りの肢)でした。

Q.

保有水平耐力計算で、各階の剛性率が6/10以上であることを確かめなくてよい。〔R6 No.12〕

。剛性率6/10・偏心率15/100は許容応力度等計算(ルート2)の確認事項。保有水平耐力計算では不要です。

Q.

保有水平耐力計算では、耐力壁の厚さの規定も適用が外れる。〔R6 No.11〕

×。外れるのは耐力壁の鉄筋の規定で、厚さは外れません。「全部外れる」と思うと引っかかります。

過去問の出題一覧(一級建築士 法規)

年度 No. 正解 主に問われた論点
令和7年111保有水平耐力計算で外れる規定(主筋と帯筋の緊結)
令和6年112外れる規定/外れない規定(耐力壁の厚さ)
令和5年112計算ルートと適用される規定・確認事項
令和4年114構造強度・構造計算
令和3年113構造強度・構造計算
令和2年114構造強度・構造計算
令和元年111構造強度・構造計算
平成30年113構造強度・構造計算
平成29年112構造強度・構造計算
平成28年112構造強度・構造計算

※構造強度(No.12・13)も毎年出題され、上の「数値」が問われます。

次に確認するページ

出典・参考

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」各年度
  • 建築基準法施行令 第36条・第73条・第77条・第78条・第79条・第82条の6
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>