建築士試験 解説ノート

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令和4年度 一級建築士 計画 No.16を解説、火災対策に関する誤りを見抜くポイント

令和4年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.16は、高齢者福祉施設・病院・保育所の火災対策に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 特別養護老人ホームの蓄煙・排煙の工夫
  2. 介護老人保健施設の防煙区画
  3. 病院の病棟階の防火区画
  4. 保育所の待避スペース(付室)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

病院の病棟階のように、すぐには避難できない患者がいる階では、煙や火から逃れて同じ階の安全な区画へ移る水平避難が大切です。そのためには、階段やEVシャフトといった竪穴区画だけでなく、フロアを左右に分ける防火区画(面積区画・水平区画)も必要になります。選択肢3の「竪穴区画以外には防火区画を設けない」は誤りなんですね。

特養・介護老健・保育所の記述は、いずれも正しい。病棟階は水平避難のため竪穴区画以外の防火区画も必要と押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 平家の特養で、共同生活室の天井を高くして蓄煙空間とし、トップライトを排煙口の役割に使う。適当です。
2 ○(適当) 介護老健で、煙の拡散を遅らせるため防煙垂れ壁を増やし防煙区画を小さくした。適当です。
3 ×(不適当) 病棟階は水平避難のため竪穴区画以外の防火区画も必要。「設けない」は誤り。
4 ○(適当) 3階に保育室のある保育所で、屋内避難階段に隣接した付室を待避スペースとした。適当です。

選択肢3は、病棟階で「竪穴区画以外には防火区画を設けない」とする点が誤りで、水平避難のためにフロアを分ける防火区画も必要です。

選択肢3のポイント

選択肢3は、病院の病棟階(1層2看護単位)の防火区画についての記述です。病棟階でどんな区画が必要かが論点です。

病棟階には、手術後の患者や寝たきりの患者など、すぐには階段で避難できない人がたくさんいます。そのため病院では、火災の起きた区画から、煙や炎を防火区画で食い止めた同じ階の反対側へ移動する水平避難という考え方がとても重要になります。

水平避難を成り立たせるには、上下階へ煙が広がらないようにする竪穴区画(階段・EVシャフト)だけでは足りません。フロアを左右の区画に分ける防火区画(面積区画や、看護単位どうしを仕切る区画)があってはじめて、片側で火災が起きても反対側へ逃げられるわけです。選択肢3は「竪穴区画以外には防火区画を設けない」と言い切っている点が、この水平避難の考え方に反するので誤りですね。

ザックリ言えば、病棟階は竪穴区画+水平に分ける防火区画の両方が必要ということです。「避難の妨げになるから区画を減らす」という説明には注意しましょう。

覚え方

  • 病棟階=水平避難のため竪穴区画+水平に分ける防火区画の両方が必要
  • 水平避難=同じ階の安全な区画へ移る避難(自力避難が難しい患者向け)
  • 防煙区画は小さく分けるほど煙の拡散を遅らせられる
  • 「区画を減らす・設けない」という記述は避難計画と矛盾しないか確認
Q.

病棟階は竪穴区画以外に防火区画を設けなくてよい?

よくありません。病棟階は水平避難のため、竪穴区画に加えてフロアを分ける防火区画も必要です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問から整理しています。運営者情報

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