建築士試験 解説ノート

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令和4年度 一級建築士 計画 No.17を解説、図書館に関する誤りを見抜くポイント

令和4年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.17は、図書館の建築作品に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 国際子ども図書館(東京都)の再生・利活用
  2. まちとしょテラソ[小布施町立図書館](長野県)の平面構成
  3. フランス国立図書館(パリ)の構成
  4. デンマーク王立図書館(コペンハーゲン)の増築

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

国際子ども図書館の旧館(レンガ棟)は、もとは帝国図書館として明治39年(1906年)に竣工した建物です。選択肢1は「大正時代に竣工」とし、さらに「余剰容積を他の敷地に移転できる制度を活用して」再生したとしていますが、いずれも事実と違うので誤りなんですね。実際は安藤忠雄らの設計で歴史的建造物を保存・改修して再生しています。

まちとしょテラソ・フランス国立図書館・デンマーク王立図書館の記述は、いずれも正しい。国際子ども図書館の旧館=明治39年(1906年)竣工と押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(不適当) 旧館は明治39年(1906年)竣工。「大正時代に竣工」「余剰容積移転制度の活用」とする点が誤り。
2 ○(適当) まちとしょテラソは、三角形平面の中央に開架書庫を置き、3辺に沿って緩やかに分けた大空間を実現。適当です。
3 ○(適当) フランス国立図書館は、中庭をもつロの字型の基壇部と四隅のL字型高層棟で構成される。適当です。
4 ○(適当) デンマーク王立図書館は、旧館に対し運河側に黒色ガラス張りの新館を増築し、主入口を新館に設けた。適当です。

選択肢1は、国際子ども図書館の旧館を「大正時代に竣工」「余剰容積移転制度を活用して再生」とする点が誤りで、旧館は明治39年(1906年)竣工で、保存・改修によって再生されています。

選択肢1のポイント

選択肢1は、国際子ども図書館の旧館がいつ建てられ、どのように再生されたかについての記述です。竣工年代と再生の手法が論点です。

国際子ども図書館の旧館(レンガ棟)は、もとは帝国図書館として明治39年(1906年)に第1期が竣工した、鉄骨補強による煉瓦造の歴史的建造物です。大正時代ではなく明治期の建物で、その後増築を重ね、安藤忠雄らの設計でガラスのボックスを挿入するなどして保存・改修し、国際子ども図書館として再生・利活用されています。構造を「鉄骨レンガ造の歴史的建造物」とする点は正しいのですが、年代の「大正時代」が誤りですね。

あわせて、選択肢1の「余剰容積を他の敷地に移転できる制度を活用して」という再生手法も、この建物には当てはまりません。容積を売買・移転して残したのではなく、文化財的価値のある建物を保存・改修して使い続けた事例です。

ザックリ言えば、国際子ども図書館の旧館=明治39年(1906年)竣工・保存改修で再生ということです。作品問題では、竣工年代と再生の手法がすり替えられていないかを確かめましょう。

覚え方

  • 国際子ども図書館の旧館=旧帝国図書館・明治39年(1906年)竣工の鉄骨補強煉瓦造
  • 再生手法=安藤忠雄らによる保存・改修(余剰容積移転制度ではない)
  • まちとしょテラソ=三角形平面の中央に開架書庫
  • 作品問題は「竣工年代」と「再生・改修の手法」のすり替えに注意
Q.

国際子ども図書館の旧館は大正時代の竣工?

違います。旧館はもとの帝国図書館で、明治39年(1906年)に竣工した建物です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を過去問から整理しています。運営者情報

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