令和5年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.3は、『広場の造形』『装飾と犯罪』『空間・時間・建築』『都市の建築』など、建築・都市の著作物に関する問題です。
この問題では、4つの組合せのうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適当) | 『広場の造形』(カミロ・ジッテ)は、歴史的広場を分析し、自然発生的な都市空間の構成を再評価しました。適当な組合せです。 |
| 2 | ○(適当) | 『装飾と犯罪』(アドルフ・ロース)は、実用に資することのない表面的な装飾が不要であると主張しました。適当な組合せです。 |
| 3 | ○(適当) | 『空間・時間・建築』(ギーディオン)は、「空間」概念を前面に、近代建築を歴史的流れに位置づけました。適当な組合せです。 |
| 4 | ×(不適当) | 複雑さ・矛盾のある建築を論じたのはヴェンチューリ。ロッシ『都市の建築』は都市を類型・記憶でとらえた著作で、組合せが不適当です。 |
選択肢4の「『都市の建築』は、曖昧さや複雑さのある建築の魅力を伝え…」という組合せが誤りで、この内容はヴェンチューリの主張です。ロッシ『都市の建築』は都市を建築の集合・記憶・類型としてとらえた著作です。
選択肢4は、アルド・ロッシ『都市の建築』に関する組合せです。挙げられた「曖昧さや複雑さのある建築の魅力」「不整合性をもつ多様な建築表現」「単純化されすぎた近代建築が唯一の解でない」という内容は、ロバート・ヴェンチューリ『建築の複雑さと矛盾』の主張なんです(Less is bore)。
一方、アルド・ロッシ『都市の建築』は、都市を時間とともに蓄積された建築の集合としてとらえ、類型(タイポロジー)や都市の記憶を論じた著作です。ロッシの著作にヴェンチューリの主張を当てている点が誤りです。
ザックリ言えば、複雑さ・矛盾=ヴェンチューリ/都市の記憶・類型=ロッシということです。「複雑さ・矛盾」が出たらヴェンチューリ、と紐づければ取り違えに気づけます。
「複雑さや矛盾のある建築の魅力」を論じた著作は誰のもの?
ロバート・ヴェンチューリの『建築の多様性と対立性(複雑さと矛盾)』です。アルド・ロッシ『都市の建築』は、都市を建築の集合・記憶・類型としてとらえた別の著作です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4(これが最も不適当な組合せ)
選択肢4が挙げる「歴史上の建築を例に、曖昧さや複雑さのある建築の魅力を伝え、不整合性をもつ多様な建築表現の有効性を示し、単純化されすぎた近代建築が唯一の解ではない」という内容は、ロバート・ヴェンチューリの『建築の多様性と対立性(建築の複雑さと矛盾)』の主張です。
一方、アルド・ロッシの『都市の建築』は、都市を時間とともに蓄積された建築の集合としてとらえ、類型(タイポロジー)や都市の記憶などを論じた著作です。選択肢4は、ロッシの著作にヴェンチューリの主張を当てているため不適当なんですね。