令和7年度 一級建築士試験 学科I(計画)No.3は、西洋建築史の代表的な建築物と様式に関する問題です。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(不適当) | パルテノンはドーリア式で正しいが、クリアストーリー(高窓)はバシリカ式教会堂の採光装置で、古代ギリシア神殿の特徴ではありません。 |
| 2 | ○(適当) | パンテオンは、レンガとコンクリート等による直径約43mのドームをもち、頂部の天窓(オクルス)から採光する古代ローマの建築物です。適当な記述です。 |
| 3 | ○(適当) | ハギア・ソフィア大聖堂は、ペンデンティヴで巨大ドームを架け、バシリカ式と集中式を融合したビザンチン様式の建築物です。適当な記述です。 |
| 4 | ○(適当) | サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂は、湾曲面・曲線のファサードと楕円形平面のドームをもつバロック様式の建築物です。適当な記述です。 |
選択肢1の「パルテノン神殿がクリアストーリー(高窓)で神室内に採光」という記述が誤りで、クリアストーリーはバシリカ式教会堂の採光装置です。
パルテノン神殿は、アテネのアクロポリスに建つ古代ギリシアの神殿で、外周をドーリア式の円柱が取り囲みます。様式の説明はここまで正しいんです。
ところが、クリアストーリー(高側窓)は、身廊の屋根を側廊より高く上げ、その差にできる壁面の窓から採光する仕組みで、後のバシリカ式教会堂などで発達した装置です。古代ギリシア神殿の採光をクリアストーリーとした点が誤りで、パルテノンの内部は窓が少なく、主に入口から光を採ります。
ザックリ言えば、クリアストーリーは教会堂、ギリシア神殿は入口採光ということです。様式名(ドーリア式)が合っていても、採光の記述で引っ掛けてくる点に注意しましょう。
身廊上部から採光する「クリアストーリー(高窓)」は、主にどの種類の建築でみられる?
バシリカ式教会堂など(初期キリスト教・ロマネスク・ゴシックの聖堂)です。古代ギリシア神殿(パルテノン)の特徴ではありません。
出典・参考
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)
パルテノン神殿は、外周にドーリア式の円柱が並ぶ古代ギリシアの神殿で、ここまでは正しい記述です。問題は採光の説明です。
クリアストーリー(高側窓)は、バシリカ式教会堂の身廊上部などに設けられる採光装置で、古代ギリシア神殿パルテノンの特徴ではありません。ギリシア神殿は窓が少なく、主に入口から採光するので、クリアストーリーを当てた選択肢1が誤りなんです。