建築士試験 解説ノート

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令和4年度 一級建築士 構造 No.27を解説、木材に関する誤りを見抜くポイント

令和4年度 一級建築士試験 学科IV(構造)No.27は、木材に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 含水率(繊維飽和点〜気乾状態)と木材の弾性係数の関係
  2. 積雪時の繊維方向の短期許容応力度
  3. 木材と普通コンクリートの熱伝導率の比較
  4. 木材の腐朽を防ぐ条件(酸素・温度・水分・栄養源)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

木は乾くほど硬くなるんです。木材の含水率が繊維飽和点(およそ含水率30%)より下がると、細胞壁の中の水(結合水)が抜けていき、木材は収縮して強度や剛性が上がります。

つまり含水率が小さくなる(乾く)ほど、弾性係数は大きくなります。選択肢1は「含水率が小さくなるに従って小さくなる」としているので逆なんですね。繊維飽和点以下では乾くほど弾性係数は大きいと押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 繊維飽和点から気乾状態へ含水率が下がる(乾く)と、木材の弾性係数は大きくなる。「小さくなる」は逆。
2 ○(正しい) 積雪時の繊維方向の短期許容応力度は、通常の短期許容応力度を所定の割合で減じた数値とする。正しい記述です。
3 ○(正しい) 木材の熱伝導率は普通コンクリートに比べて小さい(断熱性が高い)。正しい記述です。
4 ○(正しい) 木材腐朽菌の繁殖条件(酸素・温度・水分・栄養源)のうち一つでも欠けば腐朽を防げる。正しい記述です。

選択肢1は、含水率が小さくなると弾性係数も小さくなるとする点が誤りで、正しくは大きくなるです。

選択肢1のポイント

選択肢1は「木材の弾性係数は、含水率が繊維飽和点から気乾状態に達するまでは、含水率が小さくなるに従って小さくなる」としています。乾燥と強さの向きが論点です。

木材の水分は、細胞壁の中にある結合水と、細胞のすき間にある自由水に分かれます。繊維飽和点(含水率およそ30%)は、自由水が抜けきり結合水だけが残った状態の境目です。

繊維飽和点より含水率が下がると、今度は細胞壁の結合水が抜け、木材は収縮して密に締まります。これにより強度も弾性係数(剛性)も増していきます。だから乾くほど弾性係数は大きくなるわけで、選択肢1は向きが逆です。なお繊維飽和点より上(自由水だけが増減する範囲)では、強度・弾性係数はほとんど変わりません。繊維飽和点以下では乾くほど強く・硬くなると押さえましょう。

覚え方

  • 繊維飽和点(含水率約30%)以下では、乾くほど弾性係数・強度が大きくなる
  • 繊維飽和点より上では、含水率が変わっても強度はほぼ一定
  • 木材の熱伝導率は普通コンクリートより小さい(断熱性が高い)
  • 腐朽の防止=酸素・温度・水分・栄養源のどれか一つを断つ

一問一答

Q.

含水率が繊維飽和点から気乾状態へ下がると、木材の弾性係数はどうなる?

大きくなります。結合水が抜けて木材が収縮し密に締まるため、強度も弾性係数も増します。乾くほど硬くなると覚えましょう。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和4年度 一級建築士試験 学科の試験 学科IV(構造)問題」
  • 日本建築学会「木質構造設計規準・同解説」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問から整理しています。運営者情報

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