建築士試験 解説ノート

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令和3年度 一級建築士 施工 No.6を解説、土工事・山留め工事の不適当な記述を見抜くポイント

令和3年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.6は、土工事及び山留め工事に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. ウェルポイントに接続するライザーパイプの役割
  2. ヒービング防止のための山留め壁背面地盤のすき取り
  3. リチャージ工法における必要揚水量の見込み
  4. 切ばりと切ばり支柱が重なった場合の処理

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが誤っている記述)

ウェルポイント工法のライザーパイプは、管の中を真空にして地下水を吸い上げる揚水管です。だからスリット形ストレーナー管(穴あきの集水管)にしてしまうと、真空が保てず揚水できません。

地中の水を集める穴あきのストレーナーは、先端のウェルポイント側についています。ライザーパイプはそれを地上のポンプにつなぐ管なんですね。選択肢1は揚水管に集水用のスリット管を使うとしているので誤りです。ライザーパイプは真空で揚水する管(穴あきにしない)と押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) ライザーパイプは真空で揚水する管。スリット形ストレーナー管では真空が保てず揚水できない
2 ○(正しい) ヒービング防止に、外周に余裕があれば山留め壁背面地盤をすき取って荷重を軽減するのは正しい。
3 ○(正しい) リチャージ工法は復水するため、必要揚水量を復水しない場合より多く計画する。正しい。
4 ○(正しい) 切ばりが支柱と重なったので支柱を切り欠いて補強し、切ばりを通りよくまっすぐ設置するのは正しい。

選択肢1は、揚水管であるライザーパイプにスリット形ストレーナー管を用いたとした点が誤りで、真空が抜けて揚水できなくなります。

選択肢1のポイント

選択肢1は「ウェルポイントに接続するライザーパイプについては、揚水能力を確保するために、スリット形ストレーナー管を用いた」としています。ライザーパイプを穴あき管にしてよいかが論点です。

ウェルポイント工法は、先端の集水部(ウェルポイント)で地下水を集め、それをライザーパイプ(揚水管)でポンプに導いて吸い上げる工法です。吸い上げの力は、管の中を真空にすることで生まれます。

もしライザーパイプにスリット(穴)が入っていると、そこから空気を吸ってしまい真空が保てません。結果として揚水能力はかえって落ちます。穴あきのストレーナーは集水部であるウェルポイント側に必要なもので、揚水管には使いません。集めるのは先端、運ぶのがライザーパイプと整理しておきましょう。

覚え方

  • ライザーパイプ=真空で揚水する管(スリット・穴あきにしない)。集水のストレーナーは先端のウェルポイント側
  • ヒービング防止=山留め壁背面地盤のすき取り(荷重軽減)
  • リチャージ工法は復水するので、必要揚水量を多めに見込む
  • 切ばりは通りよくまっすぐ。支柱と重なれば支柱を切り欠いて補強

一問一答

Q.

ウェルポイントのライザーパイプに、スリット形ストレーナー管を使ってよい?

使えません。ライザーパイプは管の中を真空にして揚水する管なので、スリット(穴)があると空気を吸って真空が保てず、揚水能力が落ちます。集水用の穴あきストレーナーは先端のウェルポイント側に付きます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和3年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • 建築工事標準仕様書・同解説 JASS 3(土工事及び山留め工事)
  • 建築工事監理指針
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問から整理しています。運営者情報

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