建築士試験 解説ノート

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令和3年度 一級建築士 施工 No.14を解説、鉄骨工事の不適当な記述を見抜くポイント

令和3年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.14は、鉄骨工事における監理者の行為に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、監理者の行為として最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 鉄骨製作工場で行う監理者の検査のタイミング
  2. 板厚13mmの高力ボルト用の孔あけ方法
  3. 専用締付け機が使えない箇所の高力六角ボルトへの交換
  4. 鋼材の種類・形状・寸法の確認資料

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが誤っている記述)

高力ボルト用の孔は、板厚にかかわらずドリルあけが原則なんです。選択肢2は板厚13mmだからとせん断孔あけにしていますが、これは認められません。

せん断孔あけは孔のまわりに加工硬化やひずみが生じやすく、摩擦接合に必要なきれいな孔になりません。せん断孔あけが許されるのは板厚13mm以下の普通ボルト等の場合で、高力ボルトは対象外です。高力ボルトの孔あけはドリルあけと押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 製作工場の監理者検査を、塗装実施前の受入検査時に実際に使う製品へ直接行うのは正しい。
2 ×(誤り) 高力ボルト用の孔あけはドリルあけが原則。板厚13mmでもせん断孔あけは不可
3 ○(正しい) 専用締付け機が使えない箇所を高力六角ボルトに交換し、ナット回転法で張力を確認するのは正しい。
4 ○(正しい) 鋼材の種類・形状・寸法を、所定事項が明示・押印された原本相当規格品証明書で確認するのは正しい。

選択肢2は、板厚13mmの高力ボルト用の孔をせん断孔あけとした点が誤りで、高力ボルトの孔はドリルあけが原則です。

選択肢2のポイント

選択肢2は「板厚13mmの鉄骨の高力ボルト用の孔あけ加工において、特記のないものについてはせん断孔あけとし、グラインダーでばりが除去されていることを確認した」としています。高力ボルトの孔をせん断孔あけにしてよいかが論点です。

高力ボルト摩擦接合は、板どうしを強く締め付けて摩擦で力を伝えます。孔のまわりがきれいでないと、所定の性能が出ません。せん断孔あけは打ち抜きのため、孔の縁に加工硬化やひずみが残りやすいんですね。

そのため、高力ボルト用の孔は板厚にかかわらずドリルあけが原則です。せん断孔あけが許されるのは板厚13mm以下の普通ボルト等に限られます。ばりを取れば済む話ではありません。高力ボルトはドリル、せん断孔あけは普通ボルト(13mm以下)までと整理しましょう。

覚え方

  • 高力ボルト用の孔あけはドリルあけが原則(板厚13mmでもせん断孔あけ不可)
  • せん断孔あけが許されるのは板厚13mm以下の普通ボルト等
  • 製作工場の監理者検査は塗装前の製品に直接行う
  • 専用締付け機が使えない箇所は高力六角ボルトに交換し、ナット回転法で張力確認

一問一答

Q.

板厚13mmなら、高力ボルト用の孔をせん断孔あけにしてよい?

いけません。高力ボルト用の孔は板厚にかかわらずドリルあけが原則です。せん断孔あけは孔の縁に加工硬化やひずみが残り、摩擦接合の性能が出ません。せん断孔あけが許されるのは板厚13mm以下の普通ボルト等に限られます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和3年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • 建築工事標準仕様書・同解説 JASS 6(鉄骨工事)
  • 建築工事監理指針
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問から整理しています。運営者情報

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