建築士試験 解説ノート

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令和5年度 一級建築士 施工 No.22を解説、騒音振動対策が必要な穿孔にはハンマードリルでなくダイヤモンドコアドリルを使用

令和5年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.22は、耐震改修工事に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 耐震スリット新設工事の手順
  2. 接着系アンカーの接着剤があふれ出ない場合の処置
  3. 騒音・振動対策が必要な穿孔機械の選択
  4. 増設壁取合いのグラウト注入と充填確認

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが誤っている記述)

耐震改修工事での穿孔(あと施工アンカー等)では、使用建物の居住者や周辺への影響を考慮して工法を選択します。ハンマードリルは「打撃+回転」で穿孔するため大きな振動と騒音が発生します。騒音・振動対策が必要な場合は「回転のみ」で穿孔するダイヤモンドコアドリルを採用します。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 既存外壁に幅30mmのスリットを設け耐火性能のスリット材挿入後屋外・屋内の2か所にシーリング止水処理する。
2 ○(正しい) 接着系アンカーで接着剤が表面まであふれ出なかった場合、直ちに引き抜きカプセルを追加してあふれ出るように再埋め込みする。
3 ×(誤り) 騒音・振動対策が必要とされたのでハンマードリルを採用した。ハンマードリルは打撃力で大きな振動・騒音が生じるため不適切。ダイヤモンドコアドリルを採用する。
4 ○(正しい) 既存梁下端と増設壁上端取合いのグラウト注入で空気抜きを梁下端に設けその位置より10cm高い管の先端からオーバーフローで確認する。

選択肢3の「穿孔機械にハンマードリルを採用した」という記述が誤りで、正しくはダイヤモンドコアドリルを採用します。

ダイヤモンドコアドリルとハンマードリルはどう違うか

選択肢3は、騒音・振動対策が必要な穿孔機械の選択に関する記述です。ハンマードリルは打撃力でコンクリートを砕きながら穿孔するため、施工速度は速いものの振動と騒音が非常に大きくなるんですね。

一方、ダイヤモンドコアドリルはダイヤモンド砥粒のビットを高速回転させ冷却水で冷やして穿孔するため、振動がほとんどなく低騒音です。ハンマーで叩くか、削るかの違いで、騒音・振動が問題になる場合は削る方を選びます。

選択肢3は「騒音・振動対策が必要とされたのでハンマードリルを採用した」としていますが、ハンマードリルは振動・騒音が大きく不適切で誤りです。ザックリ言えば、騒音・振動対策が必要な穿孔はダイヤモンドコアドリル(回転のみ)/ハンマードリルは打撃で振動大ということです。

覚え方

  • 騒音・振動対策が必要な穿孔=ダイヤモンドコアドリル(回転のみ)/ハンマードリルは打撃で不適
  • 耐震スリット=幅30mm・耐火スリット材挿入後に屋内外2か所シーリング
  • 接着系アンカーで接着剤があふれ出ない=引き抜きカプセル追加して再埋め込み
  • 増設壁取合いのグラウト=空気抜きより10cm高い管先端のオーバーフローで確認

一問一答

Q.

騒音・振動対策が必要な穿孔に適した機械はハンマードリルとダイヤモンドコアドリルのどちらか?

ダイヤモンドコアドリルです。回転のみで穿孔するため低振動・低騒音です。ハンマードリルは打撃力を使うため振動・騒音が大きくなります。

Q.

耐震スリット新設工事でスリットに充填する材料の特性として必要なものは何か?

耐火性能のある材料(スリット材)を使用します。施工後は屋外・屋内の2か所でシーリング止水処理を行います。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)正答肢」
  • 建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修工事)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問から整理しています。運営者情報

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