建築士試験 解説ノート

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令和6年度 一級建築士 施工 No.12を解説、耐力壁水平接合部の敷モルタルは品質基準強度以上が必要

令和6年度 一級建築士 学科Ⅴ(施工)No.12は、プレキャスト鉄筋コンクリート工事に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 耐力壁水平接合部の敷モルタルの強度基準
  2. 加熱養生の前養生時間・温度上昇勾配
  3. 板状プレキャスト部材の脱型と所要強度
  4. 搬入時のクレーン直接荷取り

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが誤っている記述)

公共建築工事標準仕様書では、プレキャスト部材の接合部に用いる敷モルタルは「プレキャスト部材コンクリートの品質基準強度(Fq)以上」の圧縮強度が要求されます。品質基準強度FqはFc(設計基準強度)+BQ(温度補正値)で、設計基準強度だけでは不十分になる場合があるわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 敷モルタルの圧縮強度は設計基準強度ではなく品質基準強度(Fq)以上が必要。
2 ○(正しい) 加熱養生の前養生時間は3時間、養生温度の上昇勾配は18℃/h以下が基準。
3 ○(正しい) 板状プレキャスト部材は70〜80度に立て起こし脱型し、脱型時所要強度は9N/mm²で管理。
4 ○(正しい) プレキャスト部材を搬入時に組立てクレーンで直接荷取りして組み立てることは工程上有効。

選択肢1の「設計基準強度以上」という記述が誤りで、正しくは品質基準強度(Fq)以上です。

品質基準強度と設計基準強度の違いはどこか

選択肢1は、耐力壁水平接合部の敷モルタルの強度基準に関する記述です。設計基準強度(Fc)は構造設計上必要な強度で、品質基準強度(Fq)はこれに構造体強度補正値(BQ)を加えたものなんですね。

温度補正値が必要な場合、Fq>Fcとなります。敷モルタルにはプレキャスト部材コンクリートの品質基準強度(Fq)以上が要求されるので、Fq以上が必要な場面でFc(設計基準強度)を使うと強度が不足するわけです。

選択肢1は敷モルタルの強度を「設計基準強度以上」としていますが、正しくは品質基準強度(Fq)以上で誤りです。ザックリ言えば、PCa接合部の敷モルタル=品質基準強度(Fq)以上(設計基準強度では不足の場合あり)ということです。

覚え方

  • PCa接合部の敷モルタル=品質基準強度Fq以上(Fq=Fc+補正値なのでFcより大きい)
  • 加熱養生=前養生3時間・温度上昇勾配18℃/h以下
  • 板状PCa部材=70〜80度に立て起こし脱型・脱型時所要強度9N/mm²
  • 搬入時のクレーン直接荷取り=工程上有効

一問一答

Q.

プレキャスト耐力壁の水平接合部に用いる敷モルタルの圧縮強度の基準は?

プレキャスト部材コンクリートの品質基準強度(Fq)以上。設計基準強度(Fc)では不足の場合があります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)正答肢」
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)プレキャスト鉄筋コンクリート工事
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問から整理しています。運営者情報

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