建築士試験 解説ノート

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令和5年度 一級建築士 設備 No.2を解説、コールドドラフトの発生原理に関する誤りを見抜くポイント

令和5年度 一級建築士 学科II(環境・設備)No.2は、室内の温熱環境に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. コールドドラフトの発生原理
  2. 人体の潜熱発熱量の比率
  3. PMVの適用範囲
  4. 椅座位の上下温度差

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

コールドドラフトは、暖房時に冷たい窓ガラス面に触れて冷やされた空気が重くなり、窓面に沿って下降して足元に流れ込む「対流(下降冷気流)」によって生じる現象です。足元がスースーする不快感の原因になります。

選択肢1は「窓ガラスからの放射熱伝達により生じる」としていますが、コールドドラフトは放射ではなく対流による現象です。冷たい窓面からの放射(冷放射)も不快感を与えますが、それはコールドドラフトとは別です。発生原理を放射としている点が誤りで不適当なんですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(不適当) コールドドラフトは冷やされた空気が下降する対流(下降冷気流)で生じます。放射熱伝達によるとした記述は誤りで、不適当です。
2 ○(適当) 人体の総発熱量に占める潜熱発熱量の比率は、室温が高くなるほど(発汗が増えて)増加します。適当な記述です。
3 ○(適当) PMVは主に均一な環境向けの指標で、不均一な放射環境や上下温度差の大きい環境は適切に評価できない場合があります。適当な記述です。
4 ○(適当) 椅座位での上下温度分布は、くるぶし(床上0.1m)と頭(床上1.1m)の温度差を3℃以内とするのが望ましいです。適当な記述です。

選択肢1の「コールドドラフトは、冷やされた窓ガラスからの放射熱伝達により生じる現象」という記述が誤りで、コールドドラフトは対流(下降冷気流)によって生じます。

選択肢1のポイント

選択肢1は、コールドドラフトの発生原理に関する記述です。冬の暖房時、窓ガラスは外気で冷やされています。その冷たいガラス面に触れた室内の空気は熱を奪われて冷え、重くなり、窓面に沿って下へ流れ落ちて足元に広がります。これがコールドドラフト(下降冷気流)で、つまり空気が動いて熱を運ぶ対流による現象なんですね。

選択肢1は「冷やされた窓ガラスからの放射熱伝達により生じる」としていますが、放射は物体どうしが電磁波で熱をやり取りすることで、空気の流れではありません。冷たい窓からの放射(冷放射)で寒く感じることもありますが、それはコールドドラフトとは別の不快感なので、発生原理を放射とするのは不適当です。

ザックリ言えば、コールドドラフト=冷やされた空気が下降する対流現象(放射ではない)ということです。ドラフト=気流(流れ)=対流、と押さえれば「放射により生じる」は誤りと判断できます。

覚え方

  • コールドドラフト=冷やされた空気が下降する対流(下降冷気流)(放射ではない)
  • 人体の潜熱発熱量の比率=室温が高いほど増加/PMV=均一環境向け
  • 椅座位の上下温度差=床上0.1m〜1.1mで3℃以内が望ましい
Q.

コールドドラフトは、放射と対流のどちらで生じる?

対流です。冷たい窓面で冷やされた空気が重くなって下降する下降冷気流(対流)で生じます。放射による現象ではありません。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科II(環境・設備)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

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