建築士試験 解説ノート

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令和5年度 一級建築士 設備 No.9を解説、植栽の騒音減衰効果に関する誤りを見抜くポイント

令和5年度 一級建築士 学科II(環境・設備)No.9は、吸音・遮音に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 音響透過損失と音響透過率の関係
  2. 公共施設の吸音処理と放送の明瞭度
  3. 植栽(生垣・並木)による騒音減衰効果
  4. 多孔質吸音材料の厚さと低周波数域の吸音

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

生垣や並木などの植栽は、騒音源を見えなくすることで「うるさく感じにくくする」心理的な効果はありますが、音そのものを減衰させる物理的な効果はごくわずかです。葉や枝による音の吸収・散乱は小さく、現実的な厚みの植栽では大きな減衰は期待できません。

選択肢3は「植栽を設けることで騒音を減衰させる大きな物理的効果が得られる」としていますが、植栽の物理的な騒音減衰効果は小さいです。確実に騒音を減らすには、遮音壁などの物理的な遮蔽が必要です。よって不適当なんですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 音響透過損失を10dB増加させるには、音響透過率を現状の1/10にする必要があります。適当な記述です。
2 ○(適当) 空港等の公共施設で吸音処理を行うと、残響を抑えて放送音声の聞こえやすさを確保できます。適当な記述です。
3 ×(不適当) 植栽(生垣・並木)による騒音の物理的減衰効果は小さいです。大きな物理的効果が得られるとした記述は不適当です。
4 ○(適当) 剛壁に密着させた多孔質吸音材料を厚くすると、一般に低周波数域の吸音率が上昇します。適当な記述です。

選択肢3の「植栽を設けることで、騒音を減衰させる大きな物理的効果が得られる」という記述が誤りで、植栽による騒音の物理的減衰効果は小さいです。

選択肢3のポイント

選択肢3は、植栽による騒音減衰に関する記述です。生垣や並木を道路沿いに植えると、なんとなく騒音が和らぐように感じますね。ですがこれは、騒音源(車など)が見えなくなることで「気にならなくなる」という心理的な効果が大きいわけです。

音そのものを物理的に減らす効果は、植栽ではごくわずかなんです。葉や枝のすき間を音はほとんど通り抜けてしまい、現実的な幅の植栽帯では大きな減音は得られません。確実に騒音を減らすには、コンクリートや金属の遮音壁のように、音を反射・遮蔽する物理的な壁が必要です。

選択肢3は「植栽で騒音を減衰させる大きな物理的効果が得られる」としていますが、これは過大評価で不適当です。ザックリ言えば、植栽の騒音対策は心理的効果が中心で、物理的な減衰効果は小さいということです。

覚え方

  • 植栽(生垣・並木)の騒音減衰=心理的効果はあるが、物理的減衰効果は小さい
  • 音響透過損失を10dB増やす=音響透過率を1/10にする
  • 大空間の吸音処理=残響を抑えて放送(アナウンス)を聞きやすく
  • 多孔質吸音材=剛壁に密着で厚くするほど低周波数域の吸音率が上昇
Q.

生垣や並木の植栽は、騒音を物理的に大きく減衰させる?

いいえ。植栽による騒音の物理的な減衰効果は小さいです。騒音源を隠すことで「気になりにくくする」心理的効果はありますが、確実に減らすには遮音壁が必要です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科II(環境・設備)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

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