建築士試験 解説ノート

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令和5年度 一級建築士 設備 No.12を解説、リバースリターン方式の配管に関する誤りを見抜くポイント

令和5年度 一級建築士 学科II(環境・設備)No.12は、空気調和設備に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 冷水パネル放射空調と結露防止(露点温度)
  2. 床吹出し空調方式と居住域空調
  3. リバースリターン方式の流量バランスと配管スペース
  4. デシカント空調とコージェネ排熱利用

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

リバースリターン方式は、各機器(コイル等)への往き管と還り管の合計の長さをどの機器でもほぼ等しくして、流量のバランスを均等化する配管方式です。これにより、近い機器も遠い機器も同じように水が流れます。

そのためには、還り管を遠回りさせる必要があり、配管の全長は長くなり、配管スペースはむしろ増えます。選択肢3は「ダイレクトリターン方式に比べて配管スペースを縮小できる」としていますが、配管が増えるためスペースは縮小できません。よって不適当なんですね(流量バランスは良くなる代わりに配管は増える、というトレードオフです)。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 冷水パネル放射空調は、パネル表面の結露防止のため、パネル表面温度を室内空気の露点温度以上に保つ必要があります。適当な記述です。
2 ○(適当) 床吹出し空調方式は、適切な吹出し口を用いることで、天井高にかかわらず効率的な居住域空調が可能です。適当な記述です。
3 ×(不適当) リバースリターン方式は配管長が長くなり、配管スペースは増えます。ダイレクトリターンより縮小できるとした記述は不適当です。
4 ○(適当) デシカント空調方式は、コージェネレーションシステムと組み合わせて排熱を利用でき、総合効率の向上に寄与します。適当な記述です。

選択肢3の「リバースリターン方式は、ダイレクトリターン方式に比べて冷温水配管のスペースを縮小できる」という記述が誤りで、リバースリターン方式は配管が長くなり、スペースは縮小できません。

選択肢3のポイント

選択肢3は、リバースリターン方式に関する記述です。冷温水を各機器に配る配管方式には、ダイレクトリターンとリバースリターンがあり、違いは還り管の取り回しなんですね。

ダイレクトリターンは還り管を最短で熱源へ戻すので配管は短く済みますが、近い機器ほど水が流れやすく流量に偏りが出ます。一方、リバースリターン方式は各機器の「往き+還り」の合計距離をどの機器でも同じにするため、還り管を遠回りさせます。これで流量バランスは均等になりますが、その代わり配管の全長が長くなり、配管スペースも増えます

選択肢3は「リバースリターンは配管スペースを縮小できる」としていますが、逆に増えるので不適当です。ザックリ言えば、リバースリターン=流量バランスは良いが配管は長くなる(スペース増)というトレードオフです。

覚え方

  • リバースリターン=還り管を遠回りで流量バランス均等化/配管長は長くなりスペース増
  • 冷水パネル放射空調=表面温度を露点温度以上に保ち結露防止
  • 床吹出し空調=天井高によらず居住域を効率空調
  • デシカント空調+コージェネ=排熱を再生に利用し総合効率向上
Q.

リバースリターン方式は、ダイレクトリターン方式より配管スペースを縮小できる?

できません。リバースリターン方式は還り管を遠回りさせて流量バランスを均等化するため配管長が長くなり、スペースは増えます。流量バランスが良くなる代わりに配管が増える、というトレードオフです。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科II(環境・設備)問題」
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

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