建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 二級建築士 施工
  4. 令和5年
  5. > No.12 高力ボルト接合

令和5年度 二級建築士 施工 No.12を解説、肌すきはフィラープレートで処理を見抜くポイント

令和5年度 二級建築士試験 学科IV(建築施工)No.12は、高力ボルト接合に関する問題です。

この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 肌すきが生じたときの処理
  2. 一群のボルトの締付け順序
  3. 勾配座金を用いる傾斜
  4. 仮ボルトの締付け本数
  5. 一次締め後のマーキング

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その5つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

接合する鋼材の板厚の差などで、部材の間にすき間(肌すき)ができることがあります。肌すきが1mmを超える場合は、すき間にフィラープレート(薄い板)を挿入して埋めます。トルク値を高めて締め付けても、すき間はなくなりません。

選択肢1は「トルク値を高めることにより修正した」としているので誤りなんです。1mm超の肌すきはフィラープレートで処理と押さえましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 1mm超の肌すきはフィラープレートで処理します。トルク値を高めて修正は誤りです。
2 ○(正しい) 一群のボルト締付けを群の中央部から周辺へ行うのは適切です。正しい記述です。
3 ○(正しい) ボルト頭部と部材面が1/20以上傾斜なら勾配座金を使うのは適切です。正しい記述です。
4 ○(正しい) 仮ボルトを一群の1/3以上かつ2本以上とするのは適切です。正しい記述です。
5 ○(正しい) 一次締め後のマーキングをボルト軸・ナット・座金・母材にかけて行うのは適切です。正しい記述です。

選択肢1の「トルク値を高めることにより修正した」という記述が誤りで、1mmを超える肌すきはフィラープレートを挿入して処理します。

選択肢1のポイント

選択肢1は、1.2mmの肌すきを「トルク値を高めることにより修正した」としていますが、ここが誤りです。1mmを超える肌すきはフィラープレート(はさみ板)を挿入して処理します。

接合する鋼材の板厚に差があると、部材の間にすき間(肌すき)ができることがありますね。これが1mmを超える場合はフィラープレートを入れて埋めます。すき間が残ったまま締め付けると、ボルトの締付け力が正しく伝わらず接合の性能が出ません。トルク値(締付けの強さ)を高めても、すき間そのものはなくならないので修正にはなりません。なお、肌すきが1mm以下なら処理不要です。

誤りの核心は、すき間を埋めずにトルク値を高めて修正したとした点です。ザックリ言えば、「1mm超の肌すきはフィラープレートで埋める」ということです。1mm超の肌すきはフィラープレートで処理と押さえましょう。

覚え方

  • 1mmを超える肌すきはフィラープレートで埋める(トルク値では直らない/1mm以下は処理不要)
  • 一群のボルトの締付けは群の中央部から周辺へ
  • ボルト頭部と部材面が1/20以上傾斜なら勾配座金を使う
  • 仮ボルトは一群の1/3以上かつ2本以上/一次締め後はボルト軸・ナット・座金・母材にマーキング
Q.

高力ボルト接合で1mmを超える肌すきが生じたら、どう処理する?

フィラープレートを挿入して処理します。トルク値を高めても修正にはなりません。

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 二級建築士試験 学科の試験 学科IV(建築施工)問題」
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「施工」を過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>