RC(鉄筋コンクリート)の靭性・保有水平耐力は一級建築士 構造のNo.14前後で毎年問われます。テーマは一貫していて、地震で粘り強く壊れる(靭性のある)設計をどう確保するかです。曲げは粘る・せん断はもろいの大原則で、順序を逆にした誤りを見抜きます。
| 部材・項目 | 望ましい設計 |
|---|---|
| 梁 | 曲げ降伏を先行させ、もろいせん断破壊を避ける(あばら筋でせん断補強) |
| 柱・柱梁接合部 | 梁が曲げ降伏するまでせん断破壊しない余裕をもたせる(柱や接合部を先に壊さない) |
| 構造特性係数 Ds | 靭性が高い(粘る)ほど小さい → 必要保有水平耐力が下がる |
| 崩壊形 | 塑性ヒンジが分散する全体崩壊形が望ましい(特定層に集中する層崩壊形を避ける) |
| 項目 | 覚えるポイント |
|---|---|
| あばら筋比・帯筋比 | それぞれ0.2%以上(せん断補強) |
| 柱の帯筋の末端 | 135度フック。高強度せん断補強筋を除き、必要溶接長さを満たせば片面溶接でもよい |
| 上端筋と下端筋の付着 | 上端筋の許容付着応力度は、下端筋より小さい(打設時のブリーディングで上端は付着が劣る) |
| 梁の靭性を高める | 梁せい・引張鉄筋量を変えずに梁幅を大きくすると、せん断に余裕ができ靭性が向上する |
| 論点 | 正しい記述(○)と、よくある誤り(×) |
|---|---|
| 梁の壊れ方 | ○ 曲げ降伏を先行させる/× せん断破壊を先行させる |
| 構造特性係数 Ds | ○ 靭性が高いほど小さい/× 靭性が高いほど大きい |
| 崩壊形 | ○ 全体崩壊形が望ましい/× 層崩壊形が望ましい |
| 上端筋の付着 | ○ 上端筋の付着は下端筋より小さい/× 上端筋のほうが大きい |
曲げは粘る・せん断はもろい。梁は曲げ降伏先行、柱・接合部はせん断余裕、Dsは靭性が高いほど小さい、崩壊形は全体崩壊形。あばら筋・帯筋比は0.2%以上、上端筋の付着は下端筋より小さい、で数値も固めます。
梁の上端筋のコンクリートに対する許容付着応力度は、下端筋よりも小さい値を用いる。〔R7 No.13〕
○。コンクリート打設時のブリーディングで上端筋の下側に空隙ができやすく、上端筋の付着は下端筋より劣ります。
構造特性係数Dsは、部材の靭性が高いほど大きくなる。〔毎年の定番〕
×。逆です。靭性が高い(粘る)ほどDsは小さくなり、必要保有水平耐力が下がります。
建築物の崩壊形は、特定の層に変形が集中する層崩壊形となるように設計するのが望ましい。〔毎年の定番〕
×。望ましいのは塑性ヒンジが分散する全体崩壊形です。層崩壊形は特定層に損傷が集中するため避けます。
| 年度 | No. | 正解 | 主に問われた論点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 14 | 3 | 保有水平耐力・Ds・靭性設計 |
| 令和6年 | 14 | 3 | RC部材の靭性・崩壊形 |
| 令和5年 | 14 | 2 | 曲げ降伏先行・せん断破壊防止 |
| 令和4年 | 14 | 3 | RC保有水平耐力計算 |
| 令和3年 | 14 | 4 | RC保有水平耐力計算 |
| 令和2年 | 14 | 3 | 鉄筋コンクリート構造 |
| 令和元年 | 14 | 3 | RC柱梁接合部 |
| 平成30年 | 14 | 1 | RC保有水平耐力計算 |
| 平成29年 | 14 | 2 | RC許容応力度計算 |
| 平成28年 | 14 | 3 | RCの耐震計算 |
※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。曲げ降伏先行・せん断破壊防止・Ds・全体崩壊形といった靭性設計の論点が、毎年No.14前後でくり返し問われています。令和5年以前の解説リンクは順次追加予定です。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月