建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 構造
  4. > RC靭性・保有水平耐力 まとめ

RCの靭性・保有水平耐力のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 構造の過去問・頻出ポイント

RC(鉄筋コンクリート)の靭性・保有水平耐力は一級建築士 構造のNo.14前後で毎年問われます。テーマは一貫していて、地震で粘り強く壊れる(靭性のある)設計をどう確保するかです。曲げは粘る・せん断はもろいの大原則で、順序を逆にした誤りを見抜きます。

靭性設計の大原則 早見表

部材・項目 望ましい設計
曲げ降伏を先行させ、もろいせん断破壊を避ける(あばら筋でせん断補強)
柱・柱梁接合部 梁が曲げ降伏するまでせん断破壊しない余裕をもたせる(柱や接合部を先に壊さない)
構造特性係数 Ds 靭性が高い(粘る)ほど小さい → 必要保有水平耐力が下がる
崩壊形 塑性ヒンジが分散する全体崩壊形が望ましい(特定層に集中する層崩壊形を避ける)

RCの要点 早見表(数値と関係)

項目 覚えるポイント
あばら筋比・帯筋比それぞれ0.2%以上(せん断補強)
柱の帯筋の末端135度フック。高強度せん断補強筋を除き、必要溶接長さを満たせば片面溶接でもよい
上端筋と下端筋の付着上端筋の許容付着応力度は、下端筋より小さい(打設時のブリーディングで上端は付着が劣る)
梁の靭性を高める梁せい・引張鉄筋量を変えずに梁幅を大きくすると、せん断に余裕ができ靭性が向上する

毎年問われる論点(○が正しい・×が誤りの定番)

論点 正しい記述(○)と、よくある誤り(×)
梁の壊れ方 ○ 曲げ降伏を先行させる/× せん断破壊を先行させる
構造特性係数 Ds ○ 靭性が高いほど小さい/× 靭性が高いほど大きい
崩壊形 ○ 全体崩壊形が望ましい/× 層崩壊形が望ましい
上端筋の付着 ○ 上端筋の付着は下端筋より小さい/× 上端筋のほうが大きい

覚え方

曲げは粘る・せん断はもろい。梁は曲げ降伏先行、柱・接合部はせん断余裕、Dsは靭性が高いほど小さい、崩壊形は全体崩壊形。あばら筋・帯筋比は0.2%以上、上端筋の付着は下端筋より小さい、で数値も固めます。

過去問の肢で確認

Q.

梁の上端筋のコンクリートに対する許容付着応力度は、下端筋よりも小さい値を用いる。〔R7 No.13〕

。コンクリート打設時のブリーディングで上端筋の下側に空隙ができやすく、上端筋の付着は下端筋より劣ります

Q.

構造特性係数Dsは、部材の靭性が高いほど大きくなる。〔毎年の定番〕

×。逆です。靭性が高い(粘る)ほどDsは小さくなり、必要保有水平耐力が下がります。

Q.

建築物の崩壊形は、特定の層に変形が集中する層崩壊形となるように設計するのが望ましい。〔毎年の定番〕

×。望ましいのは塑性ヒンジが分散する全体崩壊形です。層崩壊形は特定層に損傷が集中するため避けます。

過去問の出題一覧(一級建築士 構造)

年度 No. 正解 主に問われた論点
令和7年143保有水平耐力・Ds・靭性設計
令和6年143RC部材の靭性・崩壊形
令和5年142曲げ降伏先行・せん断破壊防止
令和4年143RC保有水平耐力計算
令和3年144RC保有水平耐力計算
令和2年143鉄筋コンクリート構造
令和元年143RC柱梁接合部
平成30年141RC保有水平耐力計算
平成29年142RC許容応力度計算
平成28年143RCの耐震計算

※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。曲げ降伏先行・せん断破壊防止・Ds・全体崩壊形といった靭性設計の論点が、毎年No.14前後でくり返し問われています。令和5年以前の解説リンクは順次追加予定です。

次に確認するページ

出典・参考

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科IV(構造)問題」各年度
  • 各年度の正答は同センター公表の「正答肢」による
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「構造」を過去問から整理しています。運営者情報

Topへ >>