鉄骨造(S造)の耐震設計は一級建築士 構造のNo.15〜17前後で毎年問われます。核は耐震計算ルート・幅厚比・横補剛・保有耐力接合です。数値や大小を少しずらして誤りを作るので、ルートと検討項目をまず対応づけます。
| ルート | 計算方法 | 主な確認 |
|---|---|---|
| ルート1 | 許容応力度計算(地震力の割増など) | 規模が小さい建物。筋かいの応力割増など |
| ルート2 | 許容応力度等計算 | 剛性率0.6以上・偏心率0.15以下・塔状比など |
| ルート3 | 保有水平耐力計算 | 保有水平耐力 ≧ 必要保有水平耐力 |
| 項目 | 覚えるポイント |
|---|---|
| 幅厚比 | 小さいほど局部座屈しにくく塑性変形能力が高い。上限値は基準強度Fが大きいほど小さい(高強度鋼ほど厳しい)。柱は梁より上限が小さい |
| 横補剛 | 梁の横座屈を防ぐ。「全長に均等間隔」か「端部に近い部分を主として」の2方法 |
| 保有耐力接合 | 接合部の破断耐力を、部材(軸部)の降伏耐力より十分大きくする(接合部を先に壊さない) |
| 筋かい | 引張側で降伏耐力を発揮する。細長比の大きい筋かいは圧縮側で座屈し、引張側のみ効く |
| 論点 | 正しい記述(○)と、よくある誤り(×) |
|---|---|
| 幅厚比と塑性変形能力 | ○ 小さいほど塑性変形能力が高い/× 大きいほど塑性変形能力が高い |
| 幅厚比の上限と基準強度F | ○ Fが大きいほど上限は小さい/× Fが大きいほど上限は大きい |
| 保有耐力接合 | ○ 接合部を部材より強くする/× 接合部を部材より先に壊す |
| 細長比の大きい筋かい | ○ 引張側のみ降伏/× 引張・圧縮の両側で降伏 |
ルート2は剛性率0.6以上・偏心率0.15以下。幅厚比は小さいほど粘る・高強度鋼ほど上限が厳しい。横補剛で梁の横座屈を防ぎ、接合部は部材より強く(保有耐力接合)、筋かいは引張で効く、で揃えます。
板要素の幅厚比が大きいほど、局部座屈しにくく塑性変形能力が高い。〔毎年の定番〕
×。逆です。幅厚比が小さいほど局部座屈しにくく、塑性変形能力が高くなります。
柱・梁の幅厚比の上限値は、基準強度Fが大きいほど大きくなる。〔毎年の定番〕
×。逆です。基準強度Fが大きい(高強度の)鋼ほど、幅厚比の上限は小さく(厳しく)なります。
細長比の大きい筋かいは、一般に、引張・圧縮の両側において降伏耐力を発揮する。〔R5 No.18〕
×。細長比の大きい筋かいは圧縮側で座屈するので、引張側のみ降伏耐力を発揮します。
| 年度 | No. | 正解 | 主に問われた論点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 17 | 3 | 幅厚比・横補剛・保有耐力接合 |
| 令和6年 | 17 | 2 | S造の耐震設計・幅厚比とF |
| 令和5年 | 17 | 4 | 幅厚比・横座屈・接合部 |
| 令和4年 | 17 | 1 | 鉄骨構造の設計(幅厚比・横補剛) |
| 令和3年 | 18 | 2 | 鉄骨構造の耐震計算 |
| 令和2年 | 18 | 2 | 鉄骨構造の耐震計算 |
| 令和元年 | 16 | 1 | 鉄骨構造の設計 |
| 平成30年 | 18 | 1 | 鉄骨構造の耐震計算 |
| 平成29年 | 18 | 1 | 冷間成形角形鋼管柱の鉄骨造 |
| 平成28年 | 18 | 1 | 鉄骨構造の耐震計算 |
※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。耐震計算ルート・幅厚比・横補剛・保有耐力接合・筋かいの挙動が、毎年No.15〜18前後でくり返し問われています。令和5年以前の解説リンクは順次追加予定です。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月