鉄骨の接合は一級建築士 構造のNo.16で毎年1問出ます。問われるのは高力ボルト摩擦接合と溶接の数値・考え方です。のど厚やすべり係数などの数値をすり替えて誤りを作るので、まず溶接とボルトに分けて押さえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| すみ肉溶接の有効のど厚 | 0.7S(S=サイズ・脚長) |
| 完全溶込み溶接の有効のど厚 | 接合される母材の厚さ |
| のど断面あたりの許容応力度 | 母材の基準強度で決まるので、完全溶込みでもすみ肉でも同じ(違うのは"のど厚"のほう) |
| 組立溶接(タック溶接) | ビードが短いと冷却が速く、低温割れや塑性変形能力の低下が生じやすい |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| すべり係数 | 標準で0.45(摩擦面は赤錆状態やブラスト処理) |
| 二面摩擦と一面摩擦 | 二面摩擦の許容耐力は一面摩擦の2倍 |
| 二面せん断の許容せん断応力度 | 長期は基準張力T0の0.6倍、短期はその1.5倍(0.9T0) |
| 肌すき | 1mmを超えるとフィラープレートを挿入する |
| 論点 | 正しい記述(○)と、よくある誤り(×) |
|---|---|
| のど断面の許容応力度 | ○ 溶接形式によらず同じ/× 完全溶込みとすみ肉とで異なる |
| すみ肉溶接の有効のど厚 | ○ 0.7S/× サイズSに等しい |
| 完全溶込み溶接の有効のど厚 | ○ 母材の厚さ/× 0.7×母材厚 |
| 二面摩擦の許容耐力 | ○ 一面摩擦の2倍/× 一面摩擦と同じ |
すみ肉ののど厚は0.7S、完全溶込みは母材厚。のど断面あたりの許容応力度はどちらも同じ(違うのはのど厚)。高力ボルトはすべり係数0.45、二面摩擦は一面の2倍、肌すき1mm超でフィラー、で数値を固めます。
溶接継目ののど断面に対する許容せん断応力度は、完全溶込み溶接と部分溶込み溶接とで異なる。〔R7 No.16〕
×。のど断面あたりの許容応力度は母材の基準強度で決まるので、溶接形式によらず同じです。違うのは「のど厚」のほうです。
すみ肉溶接の有効のど厚は、サイズSに等しい。〔毎年の定番〕
×。すみ肉溶接の有効のど厚は0.7Sです。完全溶込み溶接の有効のど厚(母材の厚さ)と取り違えさせる定番です。
高力ボルト摩擦接合の二面摩擦の許容耐力は、一面摩擦の2倍である。〔毎年の定番〕
○。摩擦面が2面あるので、二面摩擦の許容耐力は一面摩擦の2倍になります。
| 年度 | No. | 正解 | 主に問われた論点 |
|---|---|---|---|
| 令和7年 | 16 | 1 | のど断面の許容応力度・高力ボルト摩擦接合 |
| 令和6年 | 16 | 1 | 溶接・高力ボルトの許容応力度 |
| 令和5年 | 16 | 4 | のど厚・すべり係数・接合部 |
| 令和4年 | 18 | 4 | 鉄骨構造の接合部 |
| 令和3年 | 16 | 4 | 鉄骨構造の接合部 |
| 令和2年 | 16 | 4 | 高力ボルト接合 |
| 令和元年 | 17 | 2 | 鉄骨構造の接合部 |
| 平成30年 | 15 | 4 | 鉄骨構造の溶接接合 |
| 平成28年 | 15 | 3 | 鋼材の溶接 |
※ 過去10年分(平成28年〜令和7年)を確認。のど厚・のど断面の許容応力度・高力ボルトのすべり係数や許容せん断応力度が、毎年No.16前後でくり返し問われています(平成29年は柱脚の出題)。令和5年以前の解説リンクは順次追加予定です。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月