建築士試験 解説ノート

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日照・日射のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 環境・設備の過去問・頻出ポイント

日照・日射は、一級建築士 学科Ⅱ(環境・設備)のNo.6あたりで毎年問われます。問われるのは、太陽の高さと向き、面ごとに受ける日射量の大小、そして影です。引っかけは「季節と方位で日射量の大小が入れ替わる」点に集中します。まず早見表で全体をつかみます。

太陽高度と可照時間(北緯35度・東京)

時期 南中高度 可照時間
夏至 78.4 14時間30分
春分・秋分 55 12時間
冬至 31.6 9時間30分

南中高度は、春分・秋分が「90度−緯度」、夏至はそれに約23.4度を足し、冬至は約23.4度を引いた値です。夏は太陽が高く、冬は低くなります。

終日直達日射量の大小はどう変わるのか

面が太陽光に対して垂直に近いほど、単位面積あたりの日射量は大きくなります。だから季節(太陽高度)で、どの面が有利かが入れ替わります。

時期 終日直達日射量の大小(大きい順)
夏至 水平面 > 東西鉛直面 > 南鉛直面 > 北鉛直面
春分・秋分 水平面 > 南鉛直面 > 東西鉛直面
冬至 南鉛直面 > 水平面 > 東西鉛直面

夏は水平面が最大、冬は南鉛直面が最大です。年間で見ると、いちばん大きいのは夏至の水平面で、南鉛直面の最大は冬至です。

覚えておくと速いのが、大きい順に並べた「夏至・水平 > 冬至・南 > 夏至・東西 > 冬至・水平 > 夏至・南 > 冬至・東西 > 夏至・北」です。ここから、冬至の南鉛直面は夏至の東西鉛直面より大きい、と読み取れます。

日射量の計算(法線面が基準)

  • 太陽光に垂直な面が受ける法線面直達日射量が基準です。
  • 水平面直達日射量=法線面 × sin(太陽高度)。
  • 鉛直面直達日射量=法線面 × cos(太陽高度)×(方位の補正)。
  • 大気透過率は、太陽定数に対する法線面直達日射量の比で、直達日射についての値です。天空光(天空放射)は含みません。

影と日影はどう問われるのか

  • 水平面に立てた鉛直棒の、直射日光による影の先端の軌跡は、春分・秋分はほぼ直線になります。夏至・冬至は曲線(双曲線)です。
  • 終日日影は1日中日が当たらない部分、永久日影は夏至でも終日日影になる部分(1年中日影)です。
  • 島日影は、高い建築物などで、建物から離れた所に島状にできる日影です。
  • 夏至は太陽が真東より北寄りから昇るため、北向き鉛直面の可照時間は南向き鉛直面より長くなります。

過去問では、日照・日射はどう問われたか

日照・日射は学科ⅡのNo.6が定位置で、過去10年でほぼ毎年、4つの記述から1つを選ばせます。多くは終日直達日射量の大小と、大気透過率・影の正誤を見抜けるかが課題です。問題本文は公式PDFで確認できます。

年度・No. 正解 問われた論点
令和7年 No.6 4 法線面・水平面・南向き鉛直面の直達日射量の関係(計算)
令和6年 No.6 1 大気透過率を天空光まで含む値とした(誤り=直達のみ)。夏至は東西鉛直面>南鉛直面・春秋分の影は直線は正しい
令和4年 No.6 1 冬至の南鉛直面<夏至の西鉛直面とした(誤り=冬至の南のほうが大きい)。春秋分は水平>南・夏至の可照時間は北>南は正しい
令和2年 No.6 3 日照・日射・採光(太陽位置と日射量の組合せ)

誤りに仕立てられるのは主に2つです。大気透過率に天空光を混ぜるか、終日直達日射量の大小を入れ替えるか。冬至の南鉛直面が夏至の東西鉛直面より大きい、を押さえると外せます。

まちがえやすいポイント

夏は水平面が最大、冬は南鉛直面が最大。冬至の南鉛直面は夏至の東西鉛直面より大きい、まで覚えます。

「大気透過率に天空光を含む」「冬の南鉛直面より夏の東西鉛直面が大きい」と書いてあれば誤りです。春分・秋分の影の先端は直線、永久日影は夏至でも終日日影になる部分です。

論点○×(直前チェック)

記述 正誤
夏至の終日直達日射量は、水平面がいちばん大きい
冬至の終日直達日射量は、南鉛直面がいちばん大きい
大気透過率は、直達日射と天空光の両方についての値である ×(直達のみ)
春分・秋分の鉛直棒の影の先端の軌跡は、ほぼ直線である
夏至の可照時間は、南向き鉛直面より北向き鉛直面のほうが長い

理解度チェック

Q.

夏至と冬至で、終日直達日射量がいちばん大きい面は?

夏至は水平面、冬至は南鉛直面です。夏は太陽が高いので水平面が、冬は太陽が低いので南鉛直面が有利になります。

Q.

冬至の南鉛直面と、夏至の東西鉛直面では、どちらが大きい?

冬至の南鉛直面のほうが大きいです。年間の大小順では「夏至・水平>冬至・南>夏至・東西…」で、冬至・南が2番目に来ます。令和4年No.6で誤りの肢として出ました。

Q.

大気透過率は何についての値?

直達日射についての値です(太陽定数に対する法線面直達日射量の比)。天空光は含みません。令和6年No.6で「天空光を含む」が誤りの肢でした。

Q.

永久日影とは?

夏至の日でも終日日影になる部分で、1年を通して日が当たりません。終日日影(その日1日中日影)より厳しい範囲です。

まとめ

日照・日射は、太陽高度(夏は高く冬は低い)から面ごとの日射量の大小が決まります。夏至は水平面が最大、冬至は南鉛直面が最大で、冬至の南鉛直面は夏至の東西鉛直面より大きいです。大気透過率は直達のみ、春分・秋分の影の先端は直線、と押さえれば、No.6は安定して取れます。

出典・参考(一次資料・複数資料で確認)

  • 南中高度(北緯35度=夏至78.4度・春秋分55度・冬至31.6度)、可照時間(夏至14時間30分・春秋分12時間・冬至9時間30分)、終日直達日射量の大小(夏至=水平>東西>南>北/冬至=南>水平>東西)、大気透過率=直達日射の値、春分秋分の影の先端=直線、永久日影・島日影。建築環境工学の標準的事実として複数資料で照合。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科II(環境・設備)問題」平成28〜令和7年。正答は公式の正答表による。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

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