キリスト教の教会堂の平面は、大きく2つの系統に分かれます。長堂式(バシリカ式)と集中式です。
違いは、空間の向きです。バシリカ式は奥の祭壇へ向かう奥行きのある空間、集中式は中心に向かってまとまる、ドームを頂く空間です。
長く延びるか、中心に集まるか、という対比です。試験では、この向きと、ラテン十字・ギリシア十字の取り違えが狙われます。
| 形式 | 平面・空間 | 代表例 |
|---|---|---|
| バシリカ式(長堂式) | 細長い長方形。奥の祭壇へ向かう指向的な空間 | 初期キリスト教会堂、西欧の大聖堂 |
| 集中式 | 円形・正多角形・等長十字。中心対称の求心的な空間でドームを頂く | 洗礼堂・墓廟、ビザンティン建築(ハギア・ソフィア) |
バシリカ式は古代ローマの集会場「バシリカ」を借りた形で、信者を祭壇へ導きます。集中式は中心が主役で、洗礼堂や墓廟、ドームの聖堂に向いています。
十字形の平面にも2種類あります。
ラテン十字は奥行きのバシリカ系、ギリシア十字は中心のドーム系、と結びつけます。
バシリカ式は、中央の高い身廊と、その両側を列柱で隔てた側廊からなります。身廊の両側に側廊が1列ずつなら三廊式、2列ずつなら五廊式です。奥に半円形のアプス(祭壇部)があります。
身廊の天井は側廊より一段高く、その立ち上がりの壁にクリアストーリー(高窓)を設けて採光します。
一級建築士 計画では、西洋建築史のテーマで問われます。引っかけは「ギリシア十字は奥行きのある指向的な空間」「ラテン十字は集中式」のように、向きを逆にするものです。
ラテン十字とギリシア十字の違いは?
ラテン十字は縦長で、祭壇へ向かう指向的な空間(バシリカ系)です。ギリシア十字は4本の腕が等長で、交差部にドームを頂く求心的な空間(集中式)です。
バシリカ式の身廊上部に設ける高窓を何という?
クリアストーリー(高窓)です。身廊の天井を側廊より高くし、その立ち上がりの壁にクリアストーリーを設けて採光します。奥の半円形の祭壇部はアプスといいます。
教会堂の平面は、バシリカ式(長堂式)が祭壇へ向かう指向的な空間、集中式が中心に集まる求心的な空間でドームを頂く、という違いです。ラテン十字は指向的(バシリカ系)、ギリシア十字は求心的(集中式)と押さえ、身廊・側廊・アプス・クリアストーリーの名前もあわせて覚えます。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
空間の向きがいちばん狙われます。バシリカ式・ラテン十字は祭壇へ向かう指向的な空間、集中式・ギリシア十字は中心に集まる求心的な空間です。
「ギリシア十字は奥行きのある指向的な空間」「ラテン十字は集中式」と書いてあれば誤りです。ギリシア十字は等長で求心的、ラテン十字は縦長で指向的です。