建築士試験 解説ノート

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ジッテ「広場の造形」|広場の原則と都市美(一級建築士 計画)

カミロ・ジッテの『広場の造形』(1889年)は、中世ヨーロッパの広場を観察し、美しさの観点から都市空間を論じた本です。イタリアなどの古い広場を分析し、自然にできた空間の良さを再評価しました。

ジッテが大切にしたのは、囲まれた広場です。広場は建物に囲まれてまとまりを持ち、中央は空けて記念碑などは端に置く、という都市美の考え方を示しました。

幾何学的で直線的な近代の都市改造への異議でもあります。試験では、原則の中身と、近代計画への姿勢が狙われます。

ジッテの広場の原則

原則 中身
中央を空ける 広場の中央は自由にし、記念碑や噴水は中央を外して端に置く
囲まれた空間にする 建物で囲み、閉じた一体感のある空間にする
大きさと形 広すぎず、周りの建物と釣り合う大きさ・形にする
不規則な形 整いすぎない不規則な形が、歩く人に豊かな見え方を与える
群で構成する 広場を1つでなく、いくつか連ねて構成する

「中央を空け、囲み、釣り合う大きさで、不規則に、群で」とまとめられます。歩く人の視点で空間がどう見えるかを重んじた点が特徴です。

中央を空けるのはなぜか

広場の中央に大きな記念碑を据えると、人の流れや見通しを妨げ、空間が窮屈になります。ジッテは古い広場を観察し、記念碑は中央を外して端に置かれていることに着目しました。中央を空けることで、広場は使いやすく、見え方も豊かになります。

近代都市計画への異議

『広場の造形』が出た1889年は、オスマンによる幾何学的なパリ改造が完成した頃でした。ジッテは、直線の大通りと整然とした幾何学だけでは、人が心地よく過ごせる空間にならないと考えました。不規則さや囲まれ感のある、歩行者本位の都市美を説いた点に意義があります。

試験ではどう問われるか

一級建築士 計画では、建築・都市の著作と著者・説明を組み合わせる問題で出ます。問題本文は公式PDFで確認できます。

年度・No. 問われ方/引っかけ
一級 令和5年 No.3 『広場の造形』(カミロ・ジッテ・1889年)と「中世の自然発生的な都市空間を再評価」の組合せ(正しい記述)
一級 令和5年 No.3(同問の誤り肢) 『都市の建築』(ロッシ)の説明に、ヴェンチューリ「複雑さと矛盾」をすり替えた肢=誤り

ジッテは広場の都市美、ロッシは類型学と集合的記憶です。著者と中身を結びつけると見抜けます。

まちがえやすいポイント

中央の扱いと形がいちばん狙われます。ジッテは広場の中央を空け、囲まれた不規則な広場を良いとしました

「広場の中央に記念碑を置くべきとした」「幾何学的で整然とした広場を理想とした」と書いてあれば誤りです。中央は空け、記念碑は端へ、形は不規則を評価しました。

理解度チェック

Q.

ジッテは広場の中央をどう扱うべきとした?

中央は空けるべきとしました。記念碑や噴水は中央を外して端に置き、人の流れや見通しを妨げないようにします。

Q.

ジッテが評価した広場の形は?

建物に囲まれた、不規則な形の広場です。整いすぎた幾何学的な広場より、囲まれ感と不規則さのある空間が歩く人に豊かな体験を与えると考えました。

Q.

試験では、ジッテはどんな形で出る?

著作・著者・説明を組み合わせる問題で出ます。令和5年No.3で『広場の造形』(ジッテ・1889年)が正しい組合せとして出ました。誤りは別の肢で、ロッシ『都市の建築』の説明にヴェンチューリの「複雑さと矛盾」をすり替えたものでした。

まとめ

ジッテ『広場の造形』は、中世の広場の観察から、中央を空け・囲み・釣り合う大きさで・不規則に・群で構成する、という広場の都市美を説きました。オスマンの幾何学的な都市改造への異議でもあり、歩行者本位の空間を重んじた、と押さえます。

出典・参考

  • カミロ・ジッテ『広場の造形』(1889年)。中世ヨーロッパの広場の分析、広場の原則(中央を空ける・囲まれた空間・大きさと形・不規則な形・群で構成)、オスマンの幾何学的都市改造への異議。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」。出題内容は公式問題に基づく。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画」を出題傾向から整理しています。運営者情報

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