建築士試験 解説ノート

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天空率とは|斜線制限の代わりに使える緩和・一級建築士 計画での問われ方

天空率とは、ある算定位置から見た全天空に対する、建築物に遮られていない空の割合のことです。

空がどれだけ見えているかを数値にしたものです。建物が大きいほど空をふさぐので、天空率は下がります。

これを使うと、斜線制限を適用しなくてよくなる場合があります。

試験では、斜線制限の代わりに使える緩和の手法として問われます。

なぜ斜線制限の代わりになるのか

斜線制限は、道路や隣地の採光・通風を守るために、建物の高さを斜めの線で抑える規定です。

天空率による緩和は、結果として同じだけ空が見えるなら、形は斜線制限どおりでなくてもよい、という考え方です。

具体的には、斜線制限いっぱいに建てた適合建築物の天空率を基準にします。

計画している建物の天空率が、その適合建築物の天空率以上であれば、斜線制限を適用しなくてよくなります(建築基準法56条7項)。

対象になる3つの斜線

天空率で適用を外せるのは、次の3つの斜線制限です。

斜線制限 内容
道路斜線 前面道路の反対側からの斜線で高さを制限
隣地斜線 隣地境界からの斜線で高さを制限
北側斜線 北側の採光を守るため北側からの斜線で制限

道路に関わる道路斜線をはじめ、この3つが対象です。日影規制は天空率の対象ではありません。

設計でのメリット

天空率を使うと、斜線制限の斜めの線にとらわれない形が選べます。

そのぶん、上階の床面積を確保したり、地上部分に空地を取ったりと、設計の自由度が上がります。

採光や通風は斜線制限と同等以上が保たれる前提なので、住環境を悪くせずに形を工夫できます。

試験ではどう問われるか

一級建築士 計画では、事務所ビルなどの計画手法として出ます。問題文は建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

年度・No. 問われ方/引っかけ
一級 令和7年 No.7 事務所ビルで、斜線制限の規定を適用せず天空率を用いて、基準階の合理化や床面積・空地の確保を実現(正しい記述)

まちがえやすいポイント

天空率の肝は比較です。計画建物の天空率が、適合建築物の天空率以上なら斜線制限を適用しない、と押さえます。

「天空率を使えば高さ制限が一切なくなる」わけではありません。あくまで斜線制限の代わりで、容積率や日影規制などは別に効きます。

覚え方

  • 天空率=算定位置から見える空の割合。建物が大きいほど下がる。
  • 緩和=計画建物の天空率が適合建築物以上なら、斜線制限を適用しない(法56条7項)。
  • 対象=道路斜線・隣地斜線・北側斜線の3つ。日影規制・容積率は別。

理解度チェック

Q.

天空率が高い・低いは、何で決まる?

算定位置から見て空がどれだけ見えているかで決まります。建物が大きく空をふさぐほど天空率は下がります。

Q.

どんなときに斜線制限を適用しなくてよくなる?

計画している建物の天空率が、斜線制限いっぱいに建てた適合建築物の天空率以上であるときです(建築基準法56条7項)。

Q.

天空率を使えば、容積率や日影規制も適用されなくなる?

なりません。天空率で外せるのは道路・隣地・北側の斜線制限です。容積率や日影規制は別に適用されます。

まとめ

天空率は、算定位置から見た空の割合で、計画建物が適合建築物以上の天空率を確保すれば斜線制限を適用しないという緩和(法56条7項)に使われます。対象は道路・隣地・北側の3つの斜線です。試験では、適合建築物との比較で判断すること、容積率や日影規制は別であることに注意します。

出典・参考

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科I(計画)問題」令和7年。天空率の内容は問題本文に基づく。
  • 建築基準法第56条第7項(天空率による斜線制限の不適用、2002年改正で導入)。道路斜線・隣地斜線・北側斜線が対象。適合建築物以上の天空率を確保することが条件。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「計画・法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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