建築士試験 解説ノート

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顕熱と潜熱の違い(全熱交換器・エンタルピー)|一級建築士 環境・設備

顕熱は物の温度を変える熱、潜熱は水の蒸発・凝縮など状態変化に使う熱です。両方を合わせた総熱量が全熱(エンタルピー)です。この区別が、全熱交換器・人体発熱・空調の各所で問われます。換気の全体は換気のまとめにあります。

顕熱と潜熱はどう違うのか

区分 変わるもの 関係する量
顕熱 温度(状態は変わらない) 乾球温度 空気を暖める/冷ます
潜熱 状態(蒸発・凝縮) 湿度(水蒸気量) 加湿・除湿、発汗

顕熱=温度の熱、潜熱=水蒸気(湿度)の熱、合わせて全熱(エンタルピー)です。温度計に出るのが顕熱、湿度として隠れているのが潜熱、と分けて押さえます。

全熱交換器と顕熱交換器の違い

  • 全熱交換器は、捨てる排気から顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方を回収して給気にうつします。冷暖房の熱をそのまま捨てずにすみ、省エネになります。
  • 顕熱交換器は、温度(顕熱)だけを回収し、湿度(潜熱)は交換しません。ここが両者の分かれ目です。
  • 中間期など外気冷房が有効なときは、全熱交換器を通さずバイパスさせたほうが省エネになります。

人体発熱・空調での顕熱と潜熱

  • 人体の発熱には顕熱(放射・対流)と潜熱(発汗)があり、室温が高いほど潜熱発熱の比率は増えます(汗をかくため)。「室温が高いほど潜熱は小さくなる」は誤りです。
  • 外気冷房や空調の負荷判断は、顕熱だけでなくエンタルピー(全熱)で考えます。
  • デシカント空調は、除湿剤で潜熱(湿度)を分離処理し、顕熱と潜熱を別々に扱う方式です。コージェネの排熱を再生に使えます。

過去問での問われ方

顕熱と潜熱は、換気の全熱交換器、温熱の人体発熱、空調のデシカント等で、くり返し問われます。問題本文は公式PDFで確認できます。

年度・No. 出た記述
令和7年 No.3 全熱交換器の給気の絶対湿度の扱い(顕熱+潜熱を回収する前提・正、誤りは別の肢)
令和5年 No.2 人体の総発熱に占める潜熱の比率は室温が高いほど増える(正・誤りは別の肢)
平成29年 No.12 人体の潜熱は室温が高いほど小さくなるとした(誤り=高いほど大きい)
令和7年 No.11 ほか デシカント空調は潜熱を分離処理する(顕熱潜熱分離)

引っかけの中心は、潜熱と室温の関係(室温が高いほど潜熱は増える)と、全熱交換器と顕熱交換器の取り違え(湿度まで回収するのは全熱交換器)です。

まちがえやすいポイント

顕熱=温度、潜熱=湿度(水蒸気)、全熱=両方(エンタルピー)。全熱交換器は両方、顕熱交換器は温度だけ

「人体の潜熱は室温が高いほど小さい」「全熱交換器は温度だけ回収」と書いてあれば誤りです。室温が高いほど発汗で潜熱は増え、全熱交換器は湿度も回収します。

理解度チェック

Q.

顕熱と潜熱は、それぞれ何を変える熱?

顕熱は温度を変える熱(状態は変わらない)、潜熱は蒸発・凝縮など状態変化に使う熱で湿度に関係します。合わせて全熱(エンタルピー)です。

Q.

全熱交換器と顕熱交換器の違いは?

全熱交換器は顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方を回収します。顕熱交換器は温度だけを回収し、湿度は交換しません。

Q.

人体の潜熱発熱は、室温が高くなるとどうなる?

増えます。室温が高いと発汗(蒸発)が増えるため、総発熱に占める潜熱の比率が大きくなります。「室温が高いほど潜熱が小さくなる」は誤りで、平成29年No.12で出ました。

Q.

外気冷房が有効かどうかは、顕熱と全熱のどちらで判断する?

全熱(エンタルピー)で判断します。外気のエンタルピーが室内空気より低いときに、外気を取り入れて冷房に使います。

まとめ

顕熱は温度の熱、潜熱は水蒸気(湿度)の熱で、合わせて全熱(エンタルピー)です。全熱交換器は顕熱と潜熱の両方、顕熱交換器は温度だけを回収します。人体の潜熱は室温が高いほど増える、外気冷房はエンタルピーで判断、デシカントは潜熱を分離、と押さえれば、顕熱・潜熱の問題は外しません。

出典・参考(一次資料・複数資料で確認)

  • 顕熱(状態変化を伴わず温度を変える熱)と潜熱(蒸発・凝縮など状態変化に使う熱)、全熱=顕熱+潜熱(エンタルピー)。全熱交換器は顕熱と潜熱の両方、顕熱交換器は顕熱のみを回収。建築設備・伝熱の標準的定義および複数資料で照合。
  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科II(環境・設備)問題」各年度。出題内容は公式問題に基づく。
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「環境・設備」を過去問から整理しています。運営者情報

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