透過損失は壁などの素材の遮音性能(dB)、遮音等級は室として測った遮音の等級です。等級には空気音のD値(Dr)と床衝撃音のL値(Lr)があり、良い向きが逆なので混同しやすい点です。音の全体は音響のまとめにあります。
| 等級 | 対象 | 良い向き |
|---|---|---|
| D値(Dr) | 空気音(壁を隔てた室間の遮音) | 大きいほど高性能(例:Dr-50>Dr-35) |
| L値(Lr) | 床衝撃音(上階からの音) | 小さいほど高性能(例:Lr-40>Lr-55) |
空気音のD値は大きいほど、床衝撃音のL値は小さいほど遮音がよいです。L値はさらに、軽量床衝撃音(LL・スプーン等)と重量床衝撃音(LH・子どもの飛び跳ね等)に分かれます。
重量床衝撃音は、カーペット等の柔らかい仕上げ材ではほとんど改善できず、スラブを厚くするなど躯体側で対応します。軽量床衝撃音は表面材で抑えられます。
透過損失・遮音等級は、遮音・吸音(No.10)でくり返し出ます。問題本文は公式PDFで確認できます。
| 年度・No. | 出た記述 |
|---|---|
| 令和7年 No.10 | 単一材料の壁は質量則で面密度2倍で透過損失が約6dB増(正・誤りは別の肢) |
| 令和4年 No.10 | Lr-40はLr-55より床衝撃音の遮断性能が低いとした(Lr小ほど高性能で誤り)。Dr-50>Dr-35は正 |
| 平成28年 No.10 | 単層壁を薄くするとコインシデンスの影響が低い周波数域へ拡大とした(高い周波数域が正) |
狙われるのは、L値の向き(小さいほど良い)と、コインシデンスの周波数(薄いほど高い周波数で生じる)です。D値とL値で良い向きが逆、と押さえます。
D値とL値は、それぞれ大きい・小さいのどちらが高性能?
空気音のD値(Dr)は大きいほど高性能、床衝撃音のL値(Lr)は小さいほど高性能です。良い向きが逆なので、Dr-50>Dr-35、Lr-40>Lr-55となります。
質量則では、面密度が2倍になると透過損失はどうなる?
約6dB増えます。単層壁は面密度(重さ)が大きいほど、また周波数が高いほど透過損失が大きくなります。
コインシデンス効果は、壁を薄くするとどの周波数域で生じる?
高い周波数域で生じます(厚いほど低い周波数)。コインシデンスは質量則より遮音が低下する現象で、壁が硬いほど・厚いほど低周波で起こります。「薄くすると低い周波数へ」は誤りです。
重量床衝撃音は、カーペットで改善できる?
ほとんど改善できません。重量床衝撃音(LH)はスラブを厚くするなど躯体側で対応します。表面の柔らかい仕上げで抑えられるのは軽量床衝撃音(LL)です。
透過損失は壁の遮音性能(大きいほど良・質量則で面密度2倍6dB)、遮音等級は空気音のD値(大きいほど良)と床衝撃音のL値(小さいほど良)です。D値とL値で良い向きが逆、薄い壁はコインシデンスが高周波で生じる、と押さえれば、遮音の問題は外しません。
出典・参考(一次資料・複数資料で確認)
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
透過損失・D値は大きいほど良い、L値は小さいほど良い。質量則は面密度2倍で約6dB。
「Lr値は大きいほど遮音がよい」「壁を薄くするとコインシデンスが低い周波数へ」と書いてあれば誤りです。L値は小さいほど高性能、薄い壁は高い周波数でコインシデンスが生じます。