建築士試験 解説ノート

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令和元年度 一級建築士 法規 No.20を解説、用途地域がまたがる敷地のホテルを見抜くポイント

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令和元年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.20は、ホテルを題材に複数の分野を横断する問題です。4つの記述のうち、誤っているものを選びます。

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この問題のポイント

1つの建築物の用途を軸に、内装制限、既存不適格建築物の増築、用途地域の制限、適用除外といった別々の規定をまとめて問うタイプです。ホテルという用途がどの地域で建てられるか、避難経路の内装はどこまで求められるかなどを順に確認します。

この問題では、避難経路の内装制限、非常用昇降機の既存不適格、用途地域がまたがる敷地、重要文化財の原形再現が並びます。引っかけの核心は、敷地が2つの用途地域にわたるときに、どの地域の用途制限が働くかです。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(誤っている記述)

建築関係法令集 法令編(総合資格)

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用途地域がまたがる敷地は法91条の過半ルールが決め手です。別表第二のホテルの欄と法91条をひもづけて読むと、地域ごとの可否を素早く判定できます。

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 居室から地上に通ずる主たる廊下・階段等の通路の壁・天井は、準不燃材料以上の仕上げが求められます。準不燃材料で仕上げることができます(令128条の4・令129条)。正しい記述です。
2 ○(正しい) 非常用昇降機について既存不適格(法3条2項)であるホテルを増築する場合、増築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えるときは、現行規定が適用され非常用昇降機を設けなければなりません(法86条の7、令137条の6)。正しい記述です。
3 ×(誤り) 敷地が2以上の用途地域にわたる場合、過半の属する地域の用途制限が敷地全体に適用されます(法91条)。過半は第二種中高層住居専用地域(700㎡)で、ここはホテルを建てられないため、新築できません。
4 ○(正しい) 重要文化財として指定された建築物であったものの原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てやむを得ないと認めたものには、建築基準法等の規定は適用されません(法3条1項)。正しい記述です。

選択肢3は、過半が第二種中高層住居専用地域であるにもかかわらずホテルを新築できるとした点が誤りで、正しくは敷地全体に二中高の用途制限がかかり新築できません。

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選択肢3のポイント(ここが誤り)

建築物の敷地が、用途制限の異なる2つ以上の用途地域にわたることがあります。このとき、地域ごとに敷地を分けて考えるのではなく、敷地の過半が属する地域の用途制限を、敷地全体に適用します(法91条)。

本問の敷地は、第二種中高層住居専用地域に700㎡、近隣商業地域に600㎡です。過半は第二種中高層住居専用地域(700㎡)なので、敷地全体に二中高の用途制限がかかります。

ホテルは、第二種中高層住居専用地域では建てられない用途です(別表第二)。近隣商業地域の部分にホテルを置きたくても、敷地全体が二中高の扱いになるため、特定行政庁の許可がなければ新築できません。選択肢3の「新築することができる」は誤りです。

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覚え方

  • 敷地が2以上の用途地域にわたる → 過半の地域の用途制限を敷地全体に適用(法91条)
  • ホテル・旅館 → 住居専用地域系(一低・二低・一中高・二中高)と工業・工業専用では建てられない
  • 非常用昇降機の既存不適格 → 増築が基準時の延べ面積の1/2超で現行規定が適用(令137条の6)
  • 重要文化財の原形再現 → 特定行政庁が建築審査会の同意を得て認めれば建築基準法等は不適用(法3条1項)

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理解度チェック

Q.

敷地が二中高700㎡と近隣商業600㎡にまたがる場合、近隣商業の部分にホテルを建てられるか。

建てられません。過半が二中高なので敷地全体に二中高の用途制限がかかり、ホテルは新築できません(法91条)。

Q.

非常用昇降機が既存不適格のホテルは、どの程度の増築で非常用昇降機の設置が必要になるか。

増築部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の1/2を超えるときに、非常用昇降機を設けなければなりません(令137条の6)。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和元年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法第3条(適用の除外)・第86条の7(既存の建築物に対する制限の緩和)・第91条(用途地域等の指定のない区域内等の建築物の用途等)、建築基準法施行令第128条の4・第129条(内装制限)・第137条の6(非常用昇降機に関する基準時の緩和)
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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