令和3年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.10は、建築設備に関する問題です。4つの記述のうち、建築基準法上、誤っているものを選びます。
建築設備の分野は、エレベーター(昇降機)・換気設備・排煙設備の数値や検証方法が問われます。機械室の寸法、ホルムアルデヒドの換気回数、防火区画による排煙設備の免除がまとめて出ます。
引っかけの核心は、エレベーターの強度検証法における「常時」の応力度の計算です。固定荷重と積載荷重を単純に足すのではなく、加速度を考慮して計算します。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。
正解:選択肢4(これが誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 定格速度が60mを超え150m以下のエレベーターの機械室は、垂直距離を2.2m以上とします(令129条の9)。 |
| 2 | ○(正しい) | 住宅等の居室でホルムアルデヒド対策の機械換気を行う場合、必要有効換気量は換気回数0.5回/hで計算します(令20条の8)。 |
| 3 | ○(正しい) | ホテルの客室を準耐火構造の床・壁等で100m²以内ごとに区画すれば、排煙設備を設けなくてよいとされます(令126条の2)。 |
| 4 | ×(誤り) | エレベーターの強度検証法で「常時」の応力度を求める場合、固定荷重と積載荷重の単純合計とする点が誤り。実際は加速度を考慮して計算します(令129条の4第2項二号)。 |
選択肢4は、常時の応力度を荷重の単純合計で計算するとする点が誤りで、正しくは昇降部分の荷重に加速度係数を乗じて計算します。
エレベーターは昇降するため、止まっている建物の床とは違い、動き出し・停止のときに加速度がかかります。かごやおもりの重さに加速度がかかると、ロープや支持部に作用する力は静止時より大きくなります。
そのため強度検証法では、常時の応力度を求めるときも、昇降する部分の固定荷重と積載荷重に加速度係数を乗じます(令129条の4第2項二号)。選択肢4は単純に足すだけとしており、加速度による割増しを見落としているため誤りです。
エレベーターの強度検証法で常時の応力度を求めるときは、固定荷重と積載荷重を単純に合計すればよい。〇か×か。
×。昇降する部分の荷重には加速度を考慮します(令129条の4第2項二号)。
住宅の居室のホルムアルデヒド対策の機械換気は、換気回数0.5回/hで必要換気量を計算する。〇か×か。
〇。住宅等の居室は換気回数0.5回/hで計算します(令20条の8)。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月