建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. 令和5年
  5. > No.20 建築基準法(一般)

令和5年度 一級建築士 法規 No.20を解説、共用廊下・階段の容積率不算入を見抜くポイント

令和5年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.20は、容積率の緩和・採光・階段の手すりなど、建築基準法の各種規定に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、建築基準法上、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 防火区画に接する外壁をひさし等で準耐火構造としなくてよい場合(令112条)
  2. 病院の談話のための居室に採光開口部が必要か(令19条)
  3. 共用の廊下・階段・EV昇降路を容積率算定でどこまで不算入とするか(法52条6項)
  4. 幅3m超の階段で中間に手すりを省略できる条件(令25条)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢3(これが誤っている記述)

法第52条第6項により、共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下・階段の用に供する部分や、エレベーターの昇降路の部分は、容積率算定の基礎となる延べ面積に算入しません。

この不算入は床面積の全部が対象で、1/3を限度とする上限はないんです。選択肢3は「1/3を限度として算入しない」としており、ありもしない上限を設けている点が誤りということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 防火区画に接する外壁は、外壁面から50cm以上突出した準耐火構造のひさし等で防火上有効に遮られていれば、幅90cm以上の部分を準耐火構造としなくてよいです(令112条)。正しい記述です。
2 ○(正しい) 病院の談話のための居室は、採光を必要とする居室に含まれません。採光に有効な開口部を床面積の1/10以上としなくてよく、正しい記述です。
3 ×(誤り) 共用の廊下・階段やEV昇降路は容積率算定の延べ面積に全部算入しません(法52条6項)。1/3を限度とする上限はありません。
4 ○(正しい) 幅3m超の階段でも、蹴上げ15cm以下かつ踏面30cm以上なら中間に手すりを設けなくてよいです(令25条)。正しい記述です。

選択肢3は、「共用の廊下・階段等は床面積の1/3を限度として算入しない」とする点が誤りで、これらは限度なく全部が不算入です。

選択肢3のポイント

選択肢3は、老人ホームのエレベーターの昇降路や共用の廊下・階段の部分の床面積を、容積率算定の延べ面積にどこまで算入しないか、という記述なんです。

法第52条第6項により、共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下・階段の用に供する部分や、エレベーターの昇降路の部分は、容積率算定の基礎となる延べ面積に算入しません。この不算入には1/3を限度とするような上限はなく、全部が不算入です。

ですから「1/3を超える場合は1/3を限度として算入しない」とした選択肢3は、本来ない上限を設けていて誤りということです。住宅等の地階(1/3限度)と混同させる引っ掛けですね。

覚え方

  • 容積率の不算入 → 共用廊下・階段・EV昇降路は上限なしで全部不算入、住宅等の地階は1/3限度、備蓄倉庫は1/50限度
  • 採光が必要な居室(住宅の居室・教室・病室等)と不要な居室(事務室・談話室等)を区別
Q.

共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下・階段は、容積率算定の延べ面積にどこまで算入しない?

限度なく全部算入しません(法52条6項)。1/3を限度とするような上限はありません。

令和5年 一級建築士 法規 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和5年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法第52条(容積率)・第28条(居室の採光)
  • 建築基準法施行令第19条(学校等の居室の採光)・第25条(階段等の手すり等)・第112条(防火区画)
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

▼令和5年 一級建築士 法規▼

▼他の年度▼

▼過去問一覧▼

Topへ >>