建築士試験 解説ノート

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面積・高さ・階数のまとめ【過去10年分】|一級建築士試験 法規の過去問・頻出ポイント

面積・高さ・階数の算定(令2条ほか)は一級建築士 法規のNo.2で、過去10年ほぼ毎年出ます(令和4年だけNo.1の図問題)。問われ方は決まっていて、1/8の境界や高さを測る起点をずらした引っ掛けが多いです。①屋上部分・地階の1/8ルール②道路斜線の後退距離の特例③容積率の不算入と北側斜線の緩和、から押さえます。

高さ・階数の1/8ルールの早見表

屋上の階段室・昇降機塔などや、地階の倉庫・機械室などは、水平投影面積が建築面積の1/8以下なら原則として算入しません。ただし、算入する例外があります。

算定の場面 屋上部分(1/8以下)の扱い
階数 昇降機塔・階段室等は算入しない(倉庫など類しないものは算入)
一般の高さ 12mまで算入しない(日影規制では5mまで)
北側斜線・高度地区・日影・避雷設備 高さに算入する(1/8の緩和はない)

「いつでも不算入」と思い込むと誤ります。北側斜線・高度地区・日影・避雷設備では、屋上部分も高さに算入します。また、屋上の倉庫は昇降機塔等に類さないため、1/8以下でも階数に算入します。

道路斜線の後退距離の特例

建築物を前面道路の境界線から後退させると、道路斜線制限が緩みます(後退距離の特例)。

このとき、建築物の各部分の高さや軒の高さ、ポーチの高さは、前面道路の路面の中心の高さから算定します。地盤面からではありません。ここが毎年のように狙われます。あわせて、ポーチなどの前面道路に面する長さは、敷地が前面道路に接する長さの1/5以下である必要があります。

容積率の不算入と北側斜線の緩和

容積率を計算する延べ面積からは、一定の部分を差し引けます。専ら防災のための備蓄倉庫は延べ面積の1/50まで不算入です(共用の廊下・階段は上限なしで全部)。

高さ制限の緩和では、北側斜線制限のあつかいがよく問われます。北側斜線では、川・水面・線路敷などは幅の1/2だけ外側に境界線があるとみなしますが、公園には緩和がありません(日照を確保するため)。計画道路を前面道路とみなす場合は計画道路部分を敷地面積に算入しないこと、斜面・段地で階数が異なる場合は最大の階数を建築物の階数とすることも問われます。

まちがえやすいポイント

屋上部分が1/8以下でも、高さは北側斜線・高度地区・日影・避雷設備では算入します。「いつでも不算入」は誤りです。屋上の倉庫は1/8以下でも階数に算入します。

後退距離の特例の高さ・軒の高さは前面道路の路面の中心から算定します(地盤面からではありません)。北側斜線制限では公園による緩和はありません

過去問の論点○×

過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。

記述 ○×
専ら防災のための備蓄倉庫の床面積は、延べ面積の1/50を限度に容積率の算定基礎から除く
屋上の昇降機塔等が建築面積の1/8以内でも、避雷設備や北側斜線・日影制限では高さに算入する
計画道路を前面道路とみなして容積率を計算する場合、その計画道路部分は敷地面積に算入しない
後退距離の算定特例を受ける場合、建築物の各部分やポーチの高さは地盤面から算定する ×
北側斜線制限には、敷地が公園に接する場合の公園緩和がある ×
屋上部分の倉庫は、建築面積の1/8以内であれば階数に算入しない ×
屋上で1/8以下の昇降機塔・階段室等は、階数に算入しない

×を正しく直すと、後退距離特例の高さは前面道路の路面の中心から(地盤面でない)/北側斜線に公園緩和はない(緩和は道路斜線・隣地斜線)/屋上の倉庫は昇降機塔等に類さず1/8以下でも階数に算入、です。

過去問の出題一覧(一級建築士 法規)

面積・高さ・階数は、上の論点が年度をまたいでくり返し問われています。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。

年度 No. 正解 主に問われた論点/解説
令和7年(2025)22後退距離特例の高さ(路面中心)・避雷で屋上1/8算入・屋上倉庫の階数
令和6年(2024)22北側斜線の公園緩和なし・計画道路を前面道路とみなす・斜面段地の階数
令和5年(2023)24備蓄倉庫1/50・高度地区で屋上1/8算入・ポーチ1/5・地階1/8の階数
令和4年(2022)11延べ面積・高さ・階数の算定(図問題)※解説は順次追加予定
令和3年(2021)24面積・高さ・階数の算定 ※解説は順次追加予定
令和2年(2020)23面積・高さ・階数の算定 ※解説は順次追加予定
令和元年(2019)22面積・高さ・階数の算定 ※解説は順次追加予定
平成30年(2018)22面積・高さ・階数の算定 ※解説は順次追加予定
平成29年(2017)21面積・高さ・階数の算定 ※解説は順次追加予定
平成28年(2016)21面積・高さ・階数の算定 ※解説は順次追加予定

覚え方

  • 屋上部分・地階が建築面積の1/8以下は階数不算入(昇降機塔・階段室等)。高さも12m(日影5m)まで不算入。
  • ただし北側斜線・高度地区・日影・避雷設備では高さに算入。屋上の倉庫は1/8以下でも階数に算入。
  • 後退距離の特例の高さ・軒高は前面道路の路面の中心から(地盤面ではない)。ポーチは1/5以下。
  • 備蓄倉庫は1/50まで不算入。北側斜線に公園の緩和はない(水面・線路敷は1/2外側)。

理解度チェック

Q.

後退距離の特例を受ける場合、建築物の高さは地盤面から算定する?

違います。後退距離の特例の高さ・軒の高さは前面道路の路面の中心の高さから算定します。地盤面からではありません。

Q.

屋上の塔屋(階段室)の高さは、北側斜線制限の算定でも算入しない?

違います。北側斜線・高度地区・日影規制・避雷設備の高さでは1/8の緩和はなく、屋上部分も算入します。一般の高さ算定では1/8以内で12m(日影等5m)まで不算入です。

Q.

北側斜線制限で、敷地が北側で公園に接する場合、公園の幅の1/2だけ外側に境界線があるとみなす?

みなしません。北側斜線制限では公園による緩和はありません(日照確保のため)。1/2外側にみなすのは川・水面・線路敷などです。

出典・参考

  • 建築技術教育普及センター「一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」および「正答肢」各年度
  • 建築基準法 第52条・第56条・第56条の2/建築基準法施行令 第2条・第130条の12
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編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

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