建築士試験 解説ノート

建築士試験 解説ノート
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 法規
  4. 令和6年
  5. > No.7 建築基準法(一般)

令和6年度 一級建築士 法規 No.7を解説、耐火構造と準耐火構造の「加熱終了後」要件の違いを見抜くポイント

令和6年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.7は、耐火構造・準耐火構造・防火構造・準防火性能の技術的基準に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、建築基準法上、誤っているものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 準防火地域内の建築物の屋根に求められる性能(令136条の2の2)
  2. 耐火構造と準耐火構造で「加熱終了後」要件があるかどうか(令107条・107条の2)
  3. 防火構造の軒裏に求められる加熱30分間の性能(令108条)
  4. 準防火性能の外壁に求められる加熱20分間の性能(令108条の2)

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが誤っている記述)

令第107条(耐火性能の技術的基準)は、耐火構造の耐力壁について「火熱が加熱終了後も、構造耐力上支障のある変形・溶融・破壊等の損傷を生じない」ことを求めています。

ところが令第107条の2(準耐火性能の技術的基準)では、準耐火構造の耐力壁に求められるのは「加熱が継続する間」損傷を生じないことだけなんです。準耐火構造に「加熱終了後」の性能要件はないので、「いずれも加熱終了後も損傷を生じない」とした選択肢2は誤りということです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 準防火地域内の共同住宅の屋根は、火の粉による防火上有害な発炎をしないこと、かつ屋内に達する溶融・亀裂等の損傷を生じないことが必要です(令136条の2の2)。正しい記述です。
2 ×(誤り) 耐火構造(令107条)は「加熱終了後も」損傷なしが必要ですが、準耐火構造(令107条の2)は「加熱継続中」のみの要件です。「いずれも加熱終了後も」は誤りです。
3 ○(正しい) 防火構造(令108条)の軒裏は、加熱開始後30分間、屋内に面する面の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないことが必要です。正しい記述です。
4 ○(正しい) 準防火性能(令108条の2)の耐力壁以外の外壁は、加熱開始後20分間、屋内に面する面の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないことが必要です。正しい記述です。

選択肢2は、「いずれも、加熱終了後も構造耐力上支障のある損傷を生じないものでなければならない」とする点が誤りで、準耐火構造には「加熱終了後」の要件がありません。

選択肢2のポイント

令第107条(耐火性能の技術的基準)第1号は、耐力壁について「火熱が加えられた場合に、加熱開始後所定の時間加熱を継続し、かつ、加熱終了後も、構造耐力上支障のある変形・溶融・破壊その他の損傷を生じないものであること」と定めています。

一方、令第107条の2(準耐火性能の技術的基準)第1号では、「加熱が継続する間、構造耐力上支障のある損傷を生じないもの」とされていて、「加熱終了後」の性能要件は入っていないんです。耐火構造より一段階緩い基準というわけですね。

ですから「耐火構造と準耐火構造のいずれも、加熱終了後も損傷を生じない」とした選択肢2は、準耐火構造について誤りということです。

覚え方

  • 耐火構造(令107条) → 「加熱終了後も」損傷なし(より高い性能)
  • 準耐火構造(令107条の2) → 「加熱継続中」のみ損傷なし(一段階緩い)
  • 時間の違い → 防火構造の軒裏は30分間、準防火性能の外壁は20分間
Q.

準耐火構造の耐力壁に求められる性能は、「加熱終了後も損傷を生じない」こととされているか。

いいえ。準耐火構造(令107条の2)は「加熱が継続する間」の性能のみが求められます。「加熱終了後も」という要件は耐火構造(令107条)にあり、準耐火構造には含まれません。

令和6年 一級建築士 法規 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和6年度 一級建築士試験 学科の試験 学科III(法規)問題」
  • 建築基準法施行令第107条(耐火性能に関する技術的基準)
  • 建築基準法施行令第107条の2(準耐火性能に関する技術的基準)
  • 建築基準法施行令第108条(防火性能に関する技術的基準)
建築士試験 解説ノート

編集・解説

建築士試験 解説ノート編集部

建築業界の実務経験をもとに、一級・二級建築士試験の「法規」を過去問から整理しています。運営者情報

▼令和6年 一級建築士 法規▼

▼他の年度▼

▼過去問一覧▼

Topへ >>