令和6年度 一級建築士試験 学科III(法規)No.9は、建築基準法に適合しない事例を選ぶ問題です。無窓居室の主要構造部・避難階段の出入口・内装制限等について問われています。
この問題では、4つの記述のうち、建築基準法に適合しないものを選びます。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適合) | 窓のない一戸建て住宅のシアタールーム(30m2)は無窓居室として主要構造部の耐火構造化が必要ですが、自動火災報知設備の設置により代替できます(令111条の2等)。適合しています。 |
| 2 | ×(不適合) | 屋外避難階段の出入口の防火設備は遮煙性能を有するものが必要(令123条第2項)。「10分間で火炎を出さない」は遮炎性能のみで遮煙性能を満たしません。 |
| 3 | ○(適合) | 耐火建築物の地上2階建て映画館で天井高7mの客席(500m2)は、内装制限が緩和され難燃材料で足ります(令129条の規定による緩和)。適合しています。 |
| 4 | ○(適合) | 平家建ての自動車車庫(延べ200m2)の内装を準不燃材料とすることは、令128条の5の規定に適合します。適合しています。 |
選択肢2の「加熱開始後10分間当該加熱面以外の面に火炎を出さない防火設備」は遮煙性能を有しておらず、屋外避難階段の出入口に設ける防火設備としては建築基準法に適合しません。
令第123条第2項(屋外避難階段の構造)は、屋内と屋外避難階段を連絡する出入口に、「屋内と階段室とを連絡するバルコニー又は付室」あるいは「避難上及び防火上支障のない遮煙性能を有する構造方法・大臣認定の防火設備」を設けることを求めているんです。
「加熱開始後10分間、当該加熱面以外の面に火炎を出さない防火設備」というのは遮炎性能だけの防火設備です。屋外避難階段の出入口には煙を遮断する遮煙性能が必要なので、遮炎性能だけでは足りません。ですから選択肢2は建築基準法に適合しません。
屋内から屋外避難階段に通ずる出入口に設ける防火設備に必要な性能は何か。
遮煙性能を有するものが必要です(令第123条第2項)。遮炎性能(火炎を遮断する性能)だけでは不足で、煙を遮断する遮煙性能が求められます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2(これが適合しない記述)
令第123条第2項(屋外避難階段の構造)は、屋内と屋外避難階段を連絡する出入口に設ける防火設備について「避難上及び防火上支障のない遮煙性能を有するもの」とすることを求めています。
ところが「加熱開始後10分間、当該加熱面以外の面に火炎を出さない」という性能は、煙を遮る遮煙性能ではなく単なる遮炎性能なんです。遮煙性能の防火設備(一般に加熱開始後20分間の性能)が必要なので、選択肢2は建築基準法に適合しません。