避難施設(令119〜129条)は一級建築士 法規のNo.6〜9あたりで、過去10年ほぼ毎年出ます。問われるのは、直通階段をいくつ設けるか、その階段を避難階段・特別避難階段とすべきか、です。引っ掛けは、用途・階数・面積をあてはめて数や構造を不足させた選択肢が多いです。まず2以上の直通階段から押さえます。
一定の用途・規模の階では、避難経路を二重にするため2以上の直通階段が必要です。劇場・映画館などの客席のある階、物品販売店舗で床面積1,500m²超のもの、キャバレー等の客席階、病院・ホテル等の一定面積以上などが対象です。
注意したいのは、主要構造部が耐火・準耐火の場合の緩和は面積基準を2倍にするだけで、客席階などの「2以上」の原則そのものは外れない点です。
高い階や深い地階に通じる直通階段は、より安全な構造にします。
| 階段 | 通じる階 |
|---|---|
| 避難階段 | 5階以上の階・地下2階以下の階に通じる直通階段 |
| 特別避難階段 | 15階以上の階・地下3階以下の階に通じる直通階段 |
避難階段には屋内・屋外があり、特別避難階段は付室(バルコニー)を介するなど、より厳しい構造です。用途・規模で対象が変わります。
居室から直通階段までの歩行距離や、廊下の幅も問われます。両側に居室がある廊下は幅1.6m以上、片側のみは1.2m以上が基本です(令119条。小学校等は別の数値)。
階・全館の避難安全検証法で確かめる場合は、これらの一部の規定の適用が除かれます(すべてが免除されるわけではありません)。
過去10年で繰り返された論点を、正しい記述(○)と引っ掛け(×)で並べます。
| 記述 | ○× |
|---|---|
| 耐火・準耐火による2以上の直通階段の緩和は面積基準を2倍にするだけで、客席階等の「2以上」の原則は外れない | ○ |
| 5階以上・地下2階以下の階に通じる直通階段は、避難階段とする(令122条) | ○ |
| 15階以上・地下3階以下の階に通じる直通階段は、特別避難階段とする | ○ |
| 両側に居室がある廊下の幅は、1.6m以上とする(令119条) | ○ |
| 客席のある階でも、耐火構造であれば直通階段は1か所でよい | × |
| 建築物の15階以上の階に通じる直通階段は、一般の避難階段とすればよい | × |
| 避難安全検証法で安全性が確かめられれば、すべての避難規定の適用が除かれる | × |
×を正しく直すと、客席階は耐火でも2以上の直通階段が必要/15階以上は特別避難階段/避難安全検証法で外れるのは一部の規定(すべてではない)、です。
避難施設は、直通階段の数と避難階段の構造から毎年問われています。出題番号は年で動きます。正解番号は建築技術教育普及センターの公表正答によります。
| 年度 | No. | 正解 | 論点/解説 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025) | 6 | 1 | 避難施設等(直通階段・避難階段) |
| 令和6年(2024) | 8 | 1 | 避難施設等 |
| 令和5年(2023) | 7 | 2 | 避難施設等 |
| 令和4年(2022) | 9 | 1 | 避難施設等 ※解説は順次追加予定 |
| 令和3年(2021) | 7 | 2 | 耐火建築物(避難・避難安全検証法を含む)※解説は順次追加予定 |
| 令和2年(2020) | 7 | 2 | 避難施設等 ※解説は順次追加予定 |
| 令和元年(2019) | 8 | 2 | 避難施設等 ※解説は順次追加予定 |
| 平成30年(2018) | 8 | 2 | 避難施設等 ※解説は順次追加予定 |
| 平成29年(2017) | 8 | 3 | 2以上の直通階段を要する建築物 ※解説は順次追加予定 |
| 平成28年(2016) | 5 | 3 | 直通階段の幅ほか(総則・階段)※解説は順次追加予定 |
客席のある階でも、耐火構造なら直通階段は1か所でよい?
よくありません。耐火・準耐火による緩和は面積基準を2倍にするだけで、客席階などの「2以上の直通階段」の原則は外れません。
建築物の15階以上の階に通じる直通階段は、一般の避難階段でよい?
よくありません。15階以上の階・地下3階以下の階に通じる直通階段は特別避難階段とします(令122条)。5階以上・地下2階以下は避難階段です。
両側に居室がある廊下の幅は、1.2m以上でよい?
足りません。両側に居室がある廊下は幅1.6m以上が基本です(令119条)。片側のみに居室がある廊下が1.2m以上です。
出典・参考
※ このページの確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
耐火・準耐火による緩和は面積基準を2倍にするだけで、客席階などの「2以上の直通階段」の原則は外れません。「耐火なら1か所でよい」は誤りです。
避難階段は5階以上・地下2階以下、特別避難階段は15階以上・地下3階以下の階に通じる直通階段です。階数の取り違えに注意します。